GaN採用のUSB充電器(65W)としては最安値のAISEAは案外まともだった
以前(2020年10月頃)、RAVPowerのPD対応USB充電器を購入し、レビュー用に写真も撮っていたのですが、検証したり投稿するの面倒だなぁーとずるずる先延ばしにしていたらいつの間にか1年半近く経ってしまいました。
その反省を踏まえ、今回は昨日届いたばかりのAISEAのUSB-C充電器をとっとと記事にしておこうと思います。
↓これね。
ちなみに案件ではありません。というよりうちのブログで企業案件はほとんどないです。446記事中5記事くらいかな? その数少ない案件も提供品であることを明記すること、感想については口を出さないこと、を条件に受けています。個人的にステマ嫌いなんですよね。
USB-C充電器の購入動機
既にRAVPowerのPD対応充電器を持っているにも関わらず、追加で購入したのはつい最近入院したため、です。
2回目の入院なので慣れたもの………という油断もあったのでしょうが、病室にノートパソコンを持ち込んだのにACアダプターを忘れたのです…っ!!(血涙)
いえね、もっと正確に言うとちょっぴり性能の良い(QC対応くらいの)USB充電器があればノートPCも充電できるだろ、とロクに確認もせずに部屋に転がっていたUSB-A(長方形の四角い口のやつ)の充電器を持ち込んでしまったのです。
スマホも充電コネクタはUSB-Cですが、USB-A to USB-Cのケーブルを使えば普通に充電できました。しかしノートPCのほうは一切充電ランプがつかず、まったく充電できない。今回は入院期間が短かったのでノートPCを省電力モードで動かすことで、なんとかバッテリーが切れる前に退院できましたが、こんな不安な状況、もう二度と経験したくない。
というわけで、自宅で使う用のUSB-C充電器と、持ち運び用のUSB-C充電器の2つが必要だろう、と思ったのです。
AISEAという充電器を選んだ理由は、下記の条件に当てはまる中で一番安かったから。
- PD対応
- 65W対応
- USB-CとUSB-Aが1つ以上付いていること
- 持ち運びしやすいサイズなら尚可
AISEAのPD充電器のパッケージと外観
PD充電器のパッケージ
型番 | P65-X65W-1U2C |
---|---|
入力 | 100V-240V AC/50/60Hz 1.5A Max |
USB-C PD-1/2 出力 | 5V-3A(15W), 9V-3A(27W), 12V-3A(36W), 15V-3A(45W), 20V-3.25A(65W) |
USB-A 出力 | 4.5V-5A(22.5W), 5V-4.5A(22.5W), 9V-3A(27W), 12V-2.5A(30W), 20V-1.5A(30W) |
ブランド名はAISEAで、Amazonの販売店はYoketukei-JPとありましたが、製造メーカーは「Stiger International Trade Investment Co.,Ltd.」という中国企業のようです。
検索するとStigerのHPがありました。もしかしたら、自分とこで作った製品をOEMとして卸しているのかな、と思いましたが社名に Trade Investment とあるあたり、ここも中間業者かも知れませんねぇ。
http://www.gzstiger.com/
中国企業は工場同士の横のつながりが強く、同じ製品を別々の店で扱っていることが当たり前なので、大元を辿るのが大変です。何か問題あってもフロントのお店やブランド名だけ潰して工場は無傷のままラベル貼り替えて売ればええやろ、的な発想があるような気がしてなりません。考えすぎですかね?
…まぁ、いずれにせよ、動けば良いです。動けば。
P65-X65W-1U2Cの内容
- 充電器本体
- 取扱説明書
中国メーカーの製品なのに、すごく…まともな説明書で驚きました。
ほんの少し前までは…いや、今現在だって結構あるはずですが…日本語の文章がおかしかったり、日本にはない漢字が使われていたり、怪しさ抜群の説明書が多かったのですが、ここのところまともな説明書が増えてきた気がします。
下手すると無名の日本企業の説明書よりまともかも。
充電器の説明書なんて読まない、という人も多いかもですが、複数ポート付いている充電器は優先ポートがあるので一度くらいは目を通しておいたほうが良いです。この製品の場合はUSB-Cを2ポート同時使用すると1ポート目が最大45W、2ポート目が最大18Wとなる仕様です。
P65-X65W-1U2Cの外観
上からUSB-C1、USB-C2、USB-Aですね。
以前使っていたRAVPowerの充電器と比べ、USB-Cポートがひとつ増えます。先述のとおり、45W/18Wに低下しますが、うちのノートPC(Lenovo)の場合、どうせ最大でも27W充電しかできないので何の問題もありません。
あとで充電能力についても書きますが、普通にノートPC、スマホ、タブレットの3台を実用レベルで同時充電できました。
P65-X65W-1U2Cの重量とサイズ
P65-X65W-1U2Cの重量
充電器本体の重量は公称値では111gとなっていましたが、実測では106gでした。ちなみにRAVPowerの充電器は実測で117gだったので、AISEAのほうが11gほど軽い。
P65-X65W-1U2Cのサイズ
充電器本体のサイズは5.6cm × 5cm × 3cm(厚み)で、公称値どおりでした。
写真ではイメージしやすいように14インチサイズのノートPC、Lenovo Slim 550の上に載せています。
充電器の下にある黒い物体はLenovoの刻印があるのでわかると思いますが、純正のACアダプターです。…邪魔くさいでしょう? こんな大きいアダプター持ち歩きたくないのですよ。
ノートPC自体は超気に入っています。これも写真だけ撮ってレビューはしてないのですが、Ryzen 5 5500U搭載で62,700円だなんて価格破壊も良いとこだと思います。メモリ8GBが少々心もとないと感じる人はいるかも知れませんが、NVMe SSD 256GB搭載で、軽めの3Dゲームなら普通に動いちゃうくらい。それでいて1.4kgなので病院に持ち運ぶのも楽ちんでした。良い時代になったものです。
P65-X65W-1U2CとRP-PC133のサイズ比較
ついでにRAVPower RP-PC133とのサイズ比較もしておきます。どちらもGaN(窒化ガリウム)採用で、従来よりも小型かつ放熱性に優れることを売りにしている充電器です。RAVPowerのほうは購入当時は4,599円しました。
AISEAのほうが11g軽いとはいえ、見た目的にはあんま変わらないですね。どちらかというと同じようなサイズでポートがひとつ多く、かつ安いという点が大きいでしょうか。
2022年2月現在、AISEAの充電器は2,999円。RAVPowerのほうは4,310円です。
実際の充電能力
充電能力についてですが、イケてる計測器を持っているわけでもないので、BatteryBarを使ったソフトウェアによる計測をします。
このBatteryBarはWindows上で動作するソフトですが、充電速度、放電速度を手軽に調べることができる便利なツールです。ソフトだけでは不安なので一応ワットチェッカーでも確認しています。
USB-Cポート1本でノートPCを充電
約24W/hのペースで充電しています。アレレ?27Wに満たないじゃん…。もしやPDハブ経由だからかな、と思い、USB-CをノートPC本体につなげてもPDハブ経由のときと充電出力の値はほとんど変わりません。どちらも24W前後。
このノートPCのバッテリー容量は44.8Whなのでバッテリーが空の状態からでも2時間かからずに充電完了する計算になります。
ただ、24Wってなんだか中途半端な数字だなぁ。27Wか36Wに近くなるはずだけど………と考えてふと気が付きました。よく考えたらこのノートPC上でBatteryBarを動かしているわけで、充電量から本体の消費電力を引いた値が表示されているわけですね…そりゃそうだ。
ノートPC自体の消費電力
試しに充電器を外して、バッテリー駆動に切り替えたところ、約3~4Wくらいのマイナスになりました。このノートPC (Lenovo Slim 550)は単体使用時にワットチェッカーで調べたところ約6~7Wくらいだったのを覚えています。今回は外部ディスプレイを使って動かしているため、液晶パネルの消費電力分が浮いた形なのでしょう。
USB-C2での充電能力
USB-C1にAndroidタブレット、USB-C2にノートPCを繋げ、ノートPCの充電速度がどうなるか確認してみました。
USB-C2に繋げたノートPCでは12W/hくらいの充電速度に落ちました。実際には本体の消費電力があるため、16Wくらいの能力と考えたほうが良いでしょうか。
説明書によるとUSB-Cを2本使った場合、USB-C1の最大は45Wに、USB-C2は18Wに落ちるということでしたが、おおむねその数値に近いかと思われます。
ちなみに、USB-C1にノートPCを、USB-C2にAndroidタブレットを繋げた場合、ノートPC側はすぐに24W/hの充電速度となりました。
USB-C1~C2は電力を融通しあっているわけではなく、何台繋がってるかによって最大値を変える仕組みのようです。まぁ難しいこと考えずにノートPCはUSB-C1で充電しよう、と覚えておけば良いっすね。
ワットチェッカーでも確認
ノートPC本体の消費電力
Lenovo PCに限らず、最近のノートPCにはよく付いている機能ですが、「バッテリー保全モード」を使ってノートPC本体の消費電力を調べてみました。このバッテリー保全モードというのはバッテリーが一定以上(Lenovoの場合は60%以上)ある場合はコンセントに繋げていてもバッテリーの充電を行わないモードです。これを使えば本体の消費電力を確認できるわけですね。
BatteryBarでは3~4Wくらいでしたが、ワットチェッカー調べでは5~6Wを行ったりきたりでした。USB充電器自体も多少は電力使いそうですし、誤差の範囲内でしょう。
ノートPC充電時の消費電力
BatteryBarでは24W前後でしたが、ワットチェッカーでは充電用の電力と、本体の消費電力の両方が合算されて表示されるため、34~35Wくらいでした。
27Wの充電能力があるとすると、34W - 27W = 7Wで、本体が7Wくらい使っている計算になりますが、こちらも先述の例と同じく誤差の範囲内でしょう。
まとめ
突然の入院時や、出先での使用を考え、下記の条件に当てはまるUSB-C充電器を買ってみました。
- PD対応
- 65W対応
- USB-CとUSB-Aが1つ以上付いていること
- 持ち運びしやすいサイズなら尚可
AISEAという無名のブランドがと~~~っても不安でしたが、うちの環境、つまりノートPCとスマホとタブレットを同時充電する環境においては、充電速度も十分で、充電器本体の発熱もあまりなく、実用性の高い充電器でした。
なにより価格が安いのが良いですね。500円のクーポンを使って2,999円。Amazonのクーポンの仕組みってよくわからないのですが、中国製品ほどクーポンを設定していることが多い気がします。しかもその割引クーポンがなくなることがほとんどない。だから実質2,999円が定価と思っても良いんじゃないかなぁ?
ただ、耐久性についてはこれからしばらく使ってみないと何とも言えません。RAVPowerの充電器は1年半、なにごともなく使えましたが、はてさてAISEAはどうなることやら。
基本の保証期間が3か月というのも少々不安です。AISEAのアカウントをLINE登録すると保証期間が+12か月されるそうですが、中華製品が信用されないのはそういうとこやぞ!!と言いたいw
素直にオススメして良いのかどうかは何とも言えませんが、まぁAmazonなら初期不良交換も簡単なので、USB-C充電器が欲しい人は試しにチャレンジしても良いんじゃないかなって思います。
もし早々に壊れることがあるようなら、この記事に追記しますね。