AKGのBluetoothヘッドホンK361-BTを半年使ってみた感想
以前、「開放型ヘッドホンならAKG K702がコスパ高いと思う」で投稿したとおり、ぼくはK702を愛用しています。
音質/つけ心地ともに大満足しているものの、立ち上がったときにケーブルに引っ張られたり、逆に引っ張られないように十分に余裕を持って取り回すと今度は絡まったり、どうにもケーブルが煩わしく感じてきました。
たぶん、パソコンデスクから手を伸ばせば届く位置にすべての周辺機器を配置すればそこまでストレスないのでしょうけど、部屋のレイアウトの都合上、ちょっと立ち上がらないと届かない位置にゲームコントローラーを置いていたり、たまにしか使わないカードリーダーを1~2歩離れた棚に置いているため、ヘッドホンを付けているのを忘れて歩きはじめてガンッとケーブルに引っ張られる、というのを繰り返していますw
それだけK702の付け心地が良いってことなんですけどねー。
ともあれ、最近はワイヤレスヘッドホンも進化していると聞くし、1~2万円で買えるならいっちょ買ってみるか、と探し始めました。
AKG K361-BTを選んだ理由
まず大前提として無線であることが条件なわけですが、規格はやはりBluetoothが無難だろうと判断しました。専用のUSBドングル挿すのも面倒だし、もし気に入らなかったとしてもスマホやタブレットで使い回せるし。
更にコーデックもAptX限定で探そうかとも思いましたが、少し調べてみたところ、SBCが音質的に劣っていたのは遥か昔の話で今はプロでも聞き分けできないレベルだとか。それならコーデックにこだわって選択肢を狭める必要もないかな、と。
あとは室内で使うので、出来れば開放型ヘッドホンが欲しかったのですが、Bluetoothで開放型のヘッドホンって全然ないのね。
Bluetoothといえばスマホ、スマホといえば外出、外で使うヘッドホン、という位置づけなのでしょうか。ヘッドホンを頭にのっけて外出なんて、する? ………する人もいるかw
いずれにせよ、ないものは仕方ないので、密閉型でもなるべく側圧が低くて圧迫感のないモノ、という条件で探していたら、AKG K361-BTを見つけました。
どこのレビューだったか失念しましたが、密閉型にしては開放感のある音質、という点にかなり惹かれて即座にポチポチ。
AKG K361-BTのパッケージと同梱物
内容は写真左から、下記のとおり。
- ヘッドホン本体
- クイックガイド
- 充電用microUSBケーブル
- ヘッドホンケーブル(1.2m)
- ヘッドホンケーブル(3m)
- ステレオ標準変換プラグ
K361-BTはBluetoothヘッドホンながら、有線ヘッドホンとしても使えるため、それ用のケーブルが2本も付属しているんですね。親切。
AKG K361-BTの外観
写真左から下記のとおり。
- 電源ON/OFFのトグルスイッチ
- 有線接続時の接続端子
- microUSB端子
個人的に電源スイッチがトグルスイッチなのは好感度高いです。最近なぜかボタンを長押しさせる機器が多いように感じるんですよねー。長押しって非常に煩わしくないですか? こういうわかりやすいON/OFFスイッチ大好きです。
一方で、USB端子がUSB-Cじゃない点はちょっと残念でしょうか。
上下どちらでも使えるmicroUSBケーブルを使っているため、挿す方向がわかりづらいとか、そういったことはないのですが、早いところUSB-C 1本に統一してほしい感があります。
音量や再生/停止/次へ/前へ等の操作はボタンではなく、AKGロゴの入っている部分を指でタッチすることで操作するようになっています。
このイヤーパッド、合皮ですが、ものっっっすごくふかふか。たぶん中身は低反発素材じゃないかなー。指で押しても抵抗をほぼ感じません。
そのため、長時間付けていても痛みを感じることは全くないのですが、柔らかい≒密着するんですよねー。つまり、蒸れは普通に感じます。
尚、耳の大きさにもよると思いますが、ぼくの場合はギリギリでオーバーイヤーで使えています。耳の大きい人だと微妙にオンイヤーになってしまう部分もある…かもしれません。
上部の…これ何て言うんだろ…ヘッドバンド? AKGロゴの入った部分ですが、これも頭に接する面は非常に柔らか。
イヤーパッドとは異なりゴムっぽい、PVCか何かだと思われますが、なんかこれ………エクレアみたい。何言ってんだって感じですが、外側のツルっとサラっとした感触と、中の空洞感がエクレアを感じさせますw
もちろん付け心地は文句なし。髪の毛がひっかかったりもしません。
個人的にはこの機能いらないんだけど、Bluetoothといえば持ち運び用途という発想なのでしょうか。必ずと言って良いほどBTヘッドホンには折りたたみ機能付いてますよね。
ものすごくコンパクトに!!とまでは感じませんが、広げたまま持ち運ぶよりはずいぶん小さくなります。
…実は3年くらい前に買ったBluetoothヘッドホンがあったので、外観を比較してみました。
左がAKG KT361-BTで、右がAugustのEP750です。EP750のほうがスマートな印象ですが、イヤーパッドがけっこう硬いので付け心地はKT361-BTのほうが断然良いです。
ところで、たまにAugustを中華ヘッドホンと勘違いしている方がいますが、Augustはイギリスの会社です。
実際、中華ヘッドホン並にリーズナブルですけどね。このEP750、9000円しないし。
Bluetoothヘッドホン同士の比較だとコンパクトさが伝わりづらい気がしたので、AKG K702との比較も載せておきます。
言うまでもないですが、左がKT361-BTで右がK702。
だいぶシュっとしてるでしょ。シュっと。
AKG K361-BTの重量
K361-BTの重量は実測で252gでした。
参考までにAugust EP750の重量は実測258g。どちらも持ち運びを考慮しているのか、とても軽いですね。
音質についての所感
専門家ではないので素人感想ですが、音質が良いか悪いか聞かれたら、そりゃもちろん良いです。ただ、K702のようなとんでもなく広がりのある開放型と比べると狭くは感じます。特にボーカルが近い。
なにしろK702の場合は、目の前にスピーカーを置いた状態でヘッドホンを付けているとまるでそのスピーカーから音が出ているのではないかと錯覚するくらいに自然。それと比べるのはさすがに酷というもの。
その代わり、K361-BTではまるで音響ルームに入ったようなデッドな(残響の少ない)音質に感じます。
K702がヘッドホンを付けているのを忘れるくらいの開放感があるのと比べると、同じメーカーでもかなり対照的。そりゃ密閉型だものね。
でも、普通の密閉型ってもっと更に狭くて窮屈な音なんですよね。
例えば上の例で出したAugustのEP750ですが、これは密閉型らしい低音モリモリのドンシャリ方向で、さあ音楽を聴くぞ!と気合いを入れる、いや入れさせられる感じ。言うなればディスコ。
K361-BTとEP750をとっかえひっかえ付けて外して聞いた場合、EP750のほうが楽しい!と感じる人が多いんじゃないかしら。メリハリが強いから。
でもそれは味付けがされている音であって、原音に忠実なのはK361-BTのほうだと思います。長時間聞いても聞き疲れしない。
音楽を楽しむ用途ならEP750も良いと思いますが、ぼくのように夜ゲームプレイする際に使う用途だとK361-BTのほうが長時間聞けて良いかなと思います。
…あ、そこも人によるかな? ぼくが言うゲームプレイってぶっ続けで3時間4時間は当たり前なのでw
まとめ
購入履歴を見たところ、KT361-BTを買ったのは2020年の10月なので、およそ半年くらいですかね。それだけの期間使ってみた感想をざっくりと。
- ◎密閉型にしては開放感のある音質(だが本物の開放型とは比べるべくもない)
- ◎1万円台でイヤーパッドがここまでふかふかなヘッドホンははじめて
- ◎オーバーイヤーで側圧弱めなので長時間(5時間くらい)付けていても痛くならない
- △でも合皮が密着するので蒸れは感じる
- △無音時にサーという小さなホワイトノイズがある
- △充電がmicroUSBなのはちと残念。USB-Cが良かった。
- △充電中のランプが白色点滅、というのが少しわかりづらい。
- ○ダイヤルではなくタッチパッド式の操作は少し面白い
- ○有線/無線両対応は人によっては便利だろうと思う(ぼくは有線使わない)
といったところでしょうか。
総じて良い買い物だったと思います。
この記事を書くためにK702を引っ張り出してきてあらためて聴き比べをしてみると、やはりK702のほうが良いなぁ~とは感じますが、この半年間K702の存在を忘れてBT361-BT一本でも特に不満は感じなかったので、つまりはそういうことだと思います。
聴き比べたらそりゃK702のほうが良いけど、ケーブルレスというアドバンテージを覆すほどではない!
できることなら、開放型のBluetoothヘッドホンをはよ作ってほしい、というくらいですかねー。
贅沢を言うなら無音時のホワイトノイズもなんとかなくしてほしいですが、ワイヤレス式でホワイトノイズがないヘッドホンって見たことないので難しいんだろうなぁ。
以上、素人感想でしたが、何かの参考になれば幸いです。