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自宅を住居/賃貸用で切り替えた場合の減価償却費と未償却残高の計算方法

確定申告、面倒くさいですよね~。

ぼくもつい先日e-Taxで申告を完了したばかりなのですが、大家さんとしての家賃収入の経費部分、特に減価償却費についてわかりづらかったので備忘録として残しておこうと思います。

うちの場合、20年くらい前に建売住宅を購入したのですが、3~4年住んだ後は貸家にしました。その後、6年ほど貸家にした後、また自宅として8年ほど使用。そしてまたまた貸家にする…というややこしいことをしています。

でも、こういうケース、珍しくないと思うんですよ。例えば転勤族。自宅を買ったは良いものの、長期間の転勤が決まり、売却するのもアレだから賃貸にしよう、とか。すると会社員でも不動産所得があるため確定申告が必要になるのですよね。

そして確定申告するからには経費として認められる部分はきちんと申告して節税したいものです。

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自宅を貸家にした場合に認められる経費

固定資産税/都市計画税

これはわかりやすいですよね。銀行引き落としにしていればその金額を計上するだけ。最近の会計ソフトを使うならインターネットバンキングでダウンロードできるCSVを読み込ませて、「コテイシサンゼイ」で絞り込んで一括登録、なんてこともお手の物です。

会計ソフトへ固定資産税を登録している画面
※会計ソフトへ固定資産税を登録している画面

修繕費用

こちらもわかりやすいと思います。いざ賃貸用とする前に住宅設備の修繕やハウスクリーニングを行い物件の魅力を上げて、少しでも早く借り手を見つけたいですもんね。

3LDKハウスクリーニング
※参考記事:3LDKの戸建住宅を貸家にする場合のハウスクリーニングの費用

これは実際に我が家をハウスクリーニングした実例ですが、一括で経費計上しています。

このほかにも蛇口交換、ウォシュレット交換、テレビアンテナの設置費用なども経費にしていますね。

テレビアンテナについては別途記事にしているので興味のある方はこちらもどうぞ。

戸建で地上波見るならフレッツテレビよりアンテナ建てたほうが良いという当たり前の話
最近、自分の家に地上波デジタルと4K対応のBS/CSパラボラアンテナを立てたのですが、なんでもっと早く決断しなかったのかと早く行動しなかったことを地味に後悔しました。 フレッツ・テレビにするかアンテナを建てるか悩んでいる人の参考になれ...

管理会社への管理委託料や広告費

うちは不動産屋に家賃1か月分の契約登録料や、更新時の手数料しか払ったことはありませんが、最近は不動産屋も不景気なのか、住人の要求レベルが上がったのか、別途家賃の数%の管理費を取るところも多くなってきたように思います。そういった手数料は当然経費になります。

これらもまぁ年度内に普通に支払うだけですから経理上は難しくないはず。

火災保険料/地震保険料

このへんから少しややこしくなってきますが、火災保険。これは住宅ローンなどを組んで購入した場合、35年分一括で入らされますよね?

うちの場合も35年分で396,880円の火災保険料を支払っています。住宅ローン組むときって数千万単位の大きな金額が動くので数十万程度のこういった費用はサラっと流しちゃうんですけど、一括で40万近いお金が出ていくってけっこう大きなことです。

それで、この費用も経費なわけですが、35年分なので一括で経費として落とせるわけじゃありません。396,880円は前払金として仕訳し、396,880÷35年=11,339円を毎年、損害保険料へ振り替える形を取ります。

火災保険については住宅そのものと家財にかかるものがあり、両方入っている場合は業務用(貸家)への転用時に家財保険の部分だけ解約しますか?と提案されるケースもあります。………まともな保険会社なら。

だって、自宅として使うから「住宅」+「家財」の保険が必要なのであって、他人に貸すなら住宅部分の保険だけで良いじゃないですか。家財保険については借りた人が入るものなのだから。

なので家財保険分の残日数から金額を算出し、返戻金という形で保険会社からお金が戻ってくるはず。この分に関しては雑収入として仕訳する必要があります。

尚、また貸家をやめて、自宅に戻す場合でも家財保険だけ追加で入るのは全く難しくありません。

住宅ローンの利息分

住宅ローンを組んで購入した住宅だった場合は返済額の利息分だけ経費に計上できます。

たぶんどこの銀行でも同じだと思うけれど、毎年1回、「ローン残高とご返済明細のお知らせ」のようなタイトルで、その年に支払ったローン返済の内訳が送られてくるハズです。↓こういうの

ローン残高とご返済明細のお知らせ

ここに書いてある利息分だけ経費として計上できます。長年ローンを払っていると最初のほうほど利息の支払いが多く、後半になるにつれ利息が減っていくのがよくわかります。

ちなみにうちは繰り上げ返済(期限前完済)したので、もう利息分の経費計上はありません。
参考記事:住宅ローンの期限前完済と抵当権抹消を自分でやったら案外簡単だった

減価償却費

さて、ようやく本題の減価償却費の話です。

減価償却費とは、固定資産の取得費用を全額その年に計上するのではなく、耐用年数に応じて分割して経費計上する仕組みです。なんでそんな仕組みがあるのかというと、資産の価値は経年で下がるものであり、購入年度に全額計上すると矛盾が生じるからうんぬんかんぬん、という御大層な名目があるようですが、ぼくもよくわかりません。そういうもんだ、と覚えておけば良いんじゃないかな…。

さて、我が家のように建売住宅を購入した場合は土地+建物で一括で支払っているケースが多く、建物の金額がパッとわからないことがあります。あ、そうそう、土地は資産を購入したもの、とみなされるので経費にはなりません。経費になるのは建物部分のみ。

建売住宅の建物部分の金額を知る方法

たぶん一番てっとり早いのは消費税から逆算する方法です。

うちの場合、4300万円の建売住宅を購入したのですが、売買契約書には「消費税684,000円」とあります。

消費税がかかるのは建物部分だけなので、684,000÷0.05(購入時は消費税が5%だったので)で、13,680,000円が建物の金額とわかります。

………………東京の土地高すぎィィ!!

業務用と非業務用の償却率を調べる

減価償却費の計算式自体は下記のとおり単純です。

[取得金額] × 0.9 × [償却率]

[取得金額]には先ほど計算した建物の金額が入り、この計算結果が年額となるわけですが、償却率がわかりません。

償却率は「1 ÷ 耐用年数」で計算できるため、耐用年数を国税庁のページで確認します。今回の例では木造一戸建の住宅なので耐用年数は22年。

https://www.keisan.nta.go.jp/h29yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html

1 ÷ 22 = 0.04545454545… つまり、0.046なのですが、不安な場合は「減価償却資産の償却率表」を参照しても良いでしょう。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/070412/pdf/3.pdf

いずれにせよ、耐用年数22年の固定資産の償却率は0.046です。

た・だ・し、ここから盛大にややこしくなるのですが、それは業務用(≒賃貸用)の固定資産の償却率であって、非業務用(≒自宅用)の場合は耐用年数が1.5倍になるのです。なんでかは知らん! たしか自宅用の場合は減価償却の速度を緩やかにすることで経済的な云々かんぬんとか理由があった気がします。

ともあれ、木造住宅の耐用年数22年を1.5倍して、33年が非業務用の耐用年数となり、償却率は0.031となります。

賃貸用の経費計上なのになぜ非業務の減価償却計算が必要なのか

「未償却残高」という考え方があるからです。

建物の取得価格が13,680,000円を例にとりますが、ここを自宅として使っている間、1年間の減価償却費は381,672円となります。

一方で、貸家として賃貸住宅にしていた場合、1年間の減価償却費は566,352円で、これは22年で償却されます。

それぞれ33分の1ずつか、22分の1ずつかの違いがあるのだから当然ですよね。

最初から賃貸として貸す目的で購入しているのなら、特に気にせず566,352円ずつ経費計上して償却していけば良いわけですが、転勤から戻って自宅として使ったりした場合でも同じ計算式を使ったら勿体なくないですか?

つまり、最初の10年は自宅、次の10年は貸家として使っていた場合、ざっくりと全部566,352円/年で計算してしまうと20年後には11,327,040円償却済で、もう償却残高が230万円くらいしか残っていないことになるのですよ。あと4年しか経費計上できません。

一方で、最初の10年は381,672円/年で計算して、次の10年は566,352円/年で計算した場合は合計で9,480,240円。償却残高は420万円ほど残っていることになります。

当たり前ですが、償却残高が残っていなければ減価償却費の計上はできないため、後者のほうが経費を長く計上できることになりますよね。だから賃貸として使っていない期間はちゃんと住宅用として計算しよう、という話です。……………………この説明、長いわりにわかりづらいな!

非業務用/業務用で減価償却費の残高計算をするシートを作ってみた

というわけで、こちらのシートを作ることにしました。人によっては先ほどの長々とした説明よりこのシートを見たほうがわかりやすいでしょう。

冒頭で述べたとおり、最初の4年は自宅として、次の6年は賃貸として、更に次の8年は………というように自宅利用/賃貸利用を繰り返してきたので、ぼくのケースではこのような計算になります。

確定申告時にこのようなシートを提出する必要はありませんが、減価償却率/減価償却費/未償却残高は確定申告の書類に明記する必要があります。この未償却残高を少しでも長持ちさせるために、きちんと住宅としての使用期間を明確に計算した感じですね。

実際、知り合いの税理士に確認しましたが、「税務署は根拠のある数字を求めるので、今までの事実に基づくこの一覧表があれば大丈夫だと思いますよ」とのことでした。

ドヤ顔で公開するような大層なシートではないので恥ずかしいのですが、もしかしたら必要とする方がいるかもなので、GoogleスレッドシートのURLを貼っておきます。

減価償却費のスプレッドシート

ファイルメニューのダウンロードからExcel形式等を選べばご自身のPC上でシートを編集できるかと思います。

まとめ

自宅を賃貸住宅にした場合に認められる経費は固定資産税、損害保険料、修繕費用、広告宣伝費等がありますが、中でも減価償却費はもっとも大きくなるケースが多いと思われます。

その計算方法自体は「[取得金額] × 0.9 × [償却率]」という単純なものですが、この償却率が非業務用と業務用で異なるため、自宅/賃貸を切り替えて利用している人にとってはExcelシートでも作って管理しないと未償却残高がわからなくなるよー、というお話でした。

えらそーに書いていますが、基本的には来年自分が読むための記事だったりします…。

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