Kindle本をepubに変換したい
電子書籍をAmazonで買った場合はKindleアプリまたはKindle Paperwhiteで、楽天で買った場合はKoboアプリまたはKobo Readerで、というようにDRMの関係でどうしてもリーダーが制限されがちですよね。
せっかくepubという共通仕様があるのに残念でなりません。
そこで、Kindle本をepubに変換する方法について備忘録としてまとめてみました。
Kindleをepubへ変換する前準備
変換作業はWindows PC上で行います。
- Kindle for PCをインストール。
https://www.amazon.co.jp/dp/B011UEHYWQ
- Kindle for PCを起動し、変換したい本をダウンロードしておく。
- Calibreをインストール。
https://calibre-ebook.com/download_windows
- CalibreのプラグインDeDRM_toolsをダウンロード
https://github.com/apprenticeharper/DeDRM_tools/releases
- ダウンロードしたZIPファイルを解凍。
下記のようなフォルダ、ファイルが出てきます。
その中の DeDRM_plugin.zip が今回インストールするプラグインですが、これ自体は解凍する必要はありません。
CalibreにDRM解除プラグインをインストール
- Calibreを起動し、[設定]をクリック。
- 設定ダイアログの左下にある[プラグイン]をクリック
- プラグインダイアログの右下にある[ファイルからプラグインを読み込む]をクリック。
- 先ほど準備した DeDRM_plugin.zip を選択して[開く]をクリック。
- プラグインのインストールを確認されるので[はい]をクリック。
- プラグインを有効にするためにCalibreを再起動する。
CalibreでKindle本(azw)をepubに変換する
- Calibreで[本を追加]をクリック。
- マイドキュメントの My Kindle Content フォルダ内に事前にダウンロードしておいたKindleのファイルがあるので選択する。
- 一覧に本が追加されるので、それを選択してから[本の変換]をクリック
- 縦書きの書籍の場合、追加CSSが必要になるので、変換ダイアログの左で[外観]→[スタイル]をクリック。
追加CSSに下記のようなCSSを記述して[OK]をクリック。
追加CSS例
* { line-height: 150%; } @font-face { font-family: "IPA P明朝"; } body{ font-family:"IPA P明朝"; writing-mode: vertical-rl; line-break: normal; -epub-writing-mode: vertical-rl; -webkit-writing-mode: vertical-rl; -epub-line-break: normal; -webkit-line-break: normal; } p{ margin: 0; } h2{ margin-left:3rem; margin-top:3rem; }
ここではIPA P明朝を使っていますが、好みのフォントにして大丈夫です。
(何も指定しないとゴシック体のフォントで表示される電子書籍リーダーが多いと思います)
- Windows環境で(Edgeブラウザ等で)電子書籍を読む場合
- AndroidタブレットやE-ink端末で内蔵されているフォントを使う場合
いずれかの場合はこれで完了です。上記の[OK]をクリックした瞬間に変換がはじまり、文字しかない書籍なら数秒で、挿絵が多少あっても数分で変換は完了します。
しかし、AndroidやE-ink端末でもIPA P明朝(あるいは他のお好きなフォント)で表示したい場合はフォントを埋め込む必要があります。
Calibreでepub変換時にフォントも埋め込む場合
尚、フォントを埋め込んだ場合はファイルサイズがけっこう大きくなります。
「吾輩は猫である」の例ではフォントなしで553KB、フォントを埋め込んだ場合は6,152KBくらいになりました。
電子書籍リーダーごとの見え方の違い
Kindle for PCで表示した場合
Edgeブラウザで表示した場合
アンチエイリアスがかかっていないので文字があまり綺麗ではありませんが、Windows上で動作して、かつ縦書きにきちんと対応したepubリーダーってなかなか見つからないので…… これでも貴重だったりします。
あと、このようにEdgeではフォントスタイルを選ぶことができ、「書籍の既定値(IPAPMincho)」というように埋め込まれているフォントが確認できるのも便利ですね。
AndroidのKoboアプリで表示した場合
Koboアプリは楽天で購入した電子書籍はもちろんのこと、epub形式のインポートもできるのがありがたいです。
(完結済のなろう小説をepubに変換してkoboにインポートして読む、なんて使い方も出来ます)
Koboアプリならフォントを埋め込んだepubも忠実に再現してくれます。
ただ、元々Koboアプリに入っている筑紫明朝が綺麗なので、Koboでしか読まないのならあえて埋め込む必要もないかなとも思います。
もひとつオマケで角ゴで表示した場合。
epubリーダーをどうするかが問題
ここではKindleからの変換しか紹介しませんでしたが、Koboもepubに変換できますし、どちらもepubで保管しておけば、万が一電子書籍のサービスがなくなってもせっかく買った本がなくなる、という事態は避けられるようになります。
ただ、現状だとepubファイルを読む環境のほうがちょっと悩ましいかも知れません。
AndroidならKoboアプリまたはGoogle Playブックスあたりが有力候補だと思いますが、WindowsだとEdgeくらいしかまともなモノがないような…。
……まぁそもそもAndroidタブレットならAmazonで買った本はKindleアプリで、楽天で買った本はKoboアプリで読めば良いんですけどね。
現時点ではPlayブックスに不具合あり?
文字サイズの調整や、動作速度、クラウドに保存できる利便性のすべてにおいて、KoboよりGoogle Playブックスアプリのほうが優れていると思いますが、この記事を書いている2018年10月時点では、明朝体での表示ができないという不具合があるため、ちょっとオススメしづらいです。
たしか先月くらいまで問題なく表示されていたので、最新のアップデートで不具合が入り込んだだけだとは思うんですけどね。できるだけ早く対応してほしいなと思います。
尚、Google Playブックスは下記のマイブックページの[ファイルをアップロード]から、自前のepubをアップロードしておくことで、いつでもAndroid端末でepubファイルを読めるのが素敵な点です。
https://play.google.com/books
Koboリーダーでepubを読む場合は拡張子に注意
Koboアプリではなく、E Ink端末であるKobo aura one等で読む場合は、転送前にファイルの拡張子を変更する必要があります。
変更元)我輩は猫である.epub
変更例)我輩は猫である.kepub.epub
こんな感じで .kepub.epub という拡張子にしないと表示くずれや、ページ方向の逆転が発生するので注意してください。
以上、自分の備忘録用に書き始めた記事でしたが、こんなに長くなるとは思いませんでした。
こんな長文駄文を最後までお読み頂きありがとうございました m(_ _)m