高反発マットレスでも朝起きたときに腰が痛いという長話
若い頃は寝具にこだわったことはなかったし、せんべい布団でもフローリングの上に布団を敷いても問題なくぐっすり眠れました。
もともと寝付きは良いほうで、寝る前に本を読み進めたいと思っても30分も経たずに夢の中へなんてことも珍しくありません。
腰痛との戦いのはじまり
はじめて腰痛を意識したのはまだ20代の頃だったと思います。
普段どおり朝食の用意をしていてトーストにバターを塗ろうとした瞬間に、腰より上、肩甲骨の下あたりの激痛で立っていられなくなりました。別に重い物を持っていたわけでも無理な動作をしたわけでもないので混乱しました。
腰の痛みではなかったので腰痛という意識はありませんでしたが、ほかに何と伝えて良いのかわからず、
「はじめての経験なのですが腰痛で立てません。今日休ませてもらえませんか。」
と恐る恐る会社に電話しました。
そしたら、普段は厳しい上司が「わかる。その辛さはわかるよ。今日はゆっくりしてなさい。」と妙に優しい声で気遣ってくれたのが印象的でした。
その当時、ありがたいことに看護師をしている女性とお付き合いさせてもらっていたのですが、症状を伝えると、「あーなるほどね。後でコルセット持って行くよ。」といかにも慣れた対応で、その日のうちに家まできてくれたのがとても嬉しかったです。
そもそも腰痛用のコルセットの存在すら知らなかったぼくですが、これがまぁすごい効き目なんですよね。四つん這い状態じゃなきゃ動けなかったのに、コルセットをつけるだけで(痛みはあるものの)立てるようになりました。
これなら問題ないと翌朝通勤したら、今度は職場で苦しむハメになりましたが、日に日に痛みは和らいでいったのであまり深く考えませんでした。
一度腰痛になるとクセになるらしい
そもそも腰痛のキッカケがわかりません。トーストにバターを塗るという動作の何が悪いのかわからないし、生活の改善も何もないだろうと、とりあえずそのことは忘れることにしたのですが、すぐに後悔することになります。
それから年に1度くらい同じような症状に見舞われ、その頻度は徐々に増えていきました。慣れてくると「あ、そろそろ腰痛になりそう」と腰(というか、肩甲骨の下あたり)に力を入れないようにして過ごしていたほどです。
それは結婚してわりとすぐのことだったと思いますが、風呂上がりに階段を昇っていたときだったか、激しい痛みと共に立てなくなりました。まぁいつものことだから、コルセットつけておとなしくしていようと思ったのですが、嫁さんから「そんなにひどい症状だとは思わなかった。病院に行ったことはないの?」と言われてはじめて気が付きました。
そうか、病院で見てもらうという方法もあったんだ、と。子供の頃からあまりに健康体なため、入院どころか通院の経験すらなく、何かあったら医者に見てもらう、という発想自体がありませんでした。
確かにこれは腰じゃない
その頃にはもう個人事業主として独立しており、通勤の必要もなく時間の融通はつけられたため、素直に病院へ行くことにしました。
普段歩けば10分程度の距離にある整形外科の開業医ですが、ちょっと歩くだけで激痛が走るため、30分くらいかけてたどり着き、受付を済ませました。
僕「あの、立てなくなるほど痛いのですが、痛いのは腰じゃないので腰痛と言って良いものかどうか…。」
医「どのへんが痛いのかな。」
僕「ええと、この、肩甲骨の下あたりなのですが…。」
医「うん、確かにこれは腰じゃないね。」
腰痛のような症状なのに、腰とは違う場所がすごく痛む、その症状になんだか恐ろしい病気だったらどうしようと少し怖くなってきていたのですが、医者は至って平然としたもの。患者を安心させるためにそういう態度を取っているのかも知れませんが、症状を聞いて冷静な反応というのはすごい安心感がありました。
その後、少し体を動かし、辛い部位をチェックしていきます。すると、
医「レーザー治療しとく?」
コーヒーでも一杯飲んでく?くらいの軽い感じで聞いてきました。
はじめての整形外科でレーザー治療を受ける
え、え、レーザー治療って何?!なんか怖そう…。
でも詳しく聞いてみると手術ではないし、皮膚の上から器具をあてるだけで痛みもないとのこと。
聞けば聞くほどマッサージの延長線のような感じです。
まぁそもそも腰痛の治療がどんなものか知らないぼくは結局のところ医者の勧めるままにうつ伏せになり、ほんの数分程度の施術を受けたのでした。
そして帰り際に患部に塗るように、とクリームを渡されて帰路につきました。すぐには効果は出ませんでしたので、また30分くらいえっちらおっちら。施術時間よりも往復のほうが長くて、こんなの効果あるんかいな…と不安になりました。
…………がまさかの大正解。
その後、10年以上経ちますが、ただの一度も肩甲骨の下あたりの激痛に悩まされることはなくなったのです。それまでは半年に1度くらいの頻度で激痛に襲われていたのに。
ただ、ぼくが思うに、筋肉を和らげるというクリームの効き目がすごかっただけという可能性もあるので、あまりおおっぴらにレーザー治療が良かった!とは言いづらいのでした。
今度こそ本当の腰痛
それは忘れもしない東日本大震災の日です。
その日はサーバーのトラブルがあって朝まで仕事をしていたため、昼夜逆転しちゃうなぁーと思いつつもぐっすりと昼寝していました。
今考えると東京はそこまで揺れていたわけではありませんが、それまで経験したことのないほどの揺れだったのは間違いないので、驚き戸惑いベッドから飛び起きて…………腰をぎくりとやりました(;´Д`)
今度こそ本当の腰痛です。肩甲骨の下あたりとか曖昧な部位ではなく、間違いなく、腰に激しい痛み。
痛み方は肩甲骨のときと同じなので、結局アレも筋肉の炎症のひとつだったのだろうなぁと冷静に考えつつも、これから更に地震が激しくなっていざ避難!となったときに歩けないのはヤバイ、と、今回も素直に病院に行くことにしました。
教科書に載せたいほど綺麗な骨
震災から数日と経たないうちだったので、迷惑ではないかなぁ、と少し遠慮があったものの、整形外科は繁盛していました。
10年以上前にレーザー治療を受けた病院に信頼と実績があるので、そこにしたかったのですが、あいにくと引っ越してしまいそれなりに距離もありました。それならば、と近所で探したのですが、なかなかに大きな整形外科医院がありました。
そこではじめて腰痛の治療ってレントゲンを撮るのだと知ったのです。
ええ、前の病院ではレントゲンすら撮らずにいきなりレーザー治療でした。いえ、すっかり治って再発もないのですからまったく文句はございませんが、開業医ってそのへんフリーダムなのかなぁ、とちょっと不思議には思いました。
ともあれ、今回はじめて腰のレントゲンを撮ったのですが、ヘルニアかどうかを判断するためなんですってね。
でも開口一番「教科書に載せたいくらい綺麗な骨ですね」と言われてしまいました。
そんなことを言われては激痛で辛いです、とも言いづらいのですが、お医者さんはやわらかく微笑みながら「まぁ運動不足による筋肉の衰えでしょう」と核心をついてきます。あぁなるほどね…と。
ここでは結局、腰痛用の湿布と腰痛クリームをもらいました。治るまで2週間くらいだったのですが、痛みがここまで長引いたことはなかったので少し不安でした。
そして今度は朝の腰痛に悩まされる
ギックリ腰のような症状はそれから一切ない…………こともなく、1度だけ床に落ちたものを拾おうとしたときに激痛で立てなくなりましたが、まぁそれは原因がわかりやすいので置いておくとして、何度も悩まされた背中痛も、ベッドから飛び起きた際の腰痛もすっかり鳴りを潜めました。
でも、今度はにぶ~い痛みに悩まされるのです。
きっかけはウッドスプリングベッド
ポケットコイルのベッドマットを10年近く愛用していたのですが、さすがにコイルが柔らかくなってきましたし、マットから針金のゴツゴツした感じが伝わってくるようになったので買い替えを検討しました。
最近流行り……かどうかはわかりませんが、どうせなら今までとはちょっと違うもの、ということでウッドスプリングに高反発マットレスとやらを組み合わせてみたのです。
でもこれが大失敗。
朝起き上がるときに腰が痛いのです。過去に経験したような激痛では全然ないのですが、にぶ~い痛み。いやな感じです。
体が慣れていないだけだろうと、しばらく我慢しましたが、半年経っても毎朝痛いのは変わらず、さすがに買い替えることにしました。
でもベッドフレームと高反発マットレスのどちらが悪いのかわかりません。
そこで試しに高反発マットレスだけを床に敷いて寝てみました。
すると、だいぶよくなった気がします。
鈍い痛みは相変わらずですが、ウッドスプリングと組み合わせたときよりはマシ。
そんなわけで前に使っていたすのこベッド(たしかマニフレックスの)に高反発マットレスでしばらく我慢することにしました。
初心に返って脚付きマットレスを試す
過去、転職するたびに引っ越しをしていたので、19回くらい引っ越し経験があります。そのたびに活躍したのが脚付きマットレス。
良いものを長く使うべきなのでしょうけれど、環境によっては布団のほうが良かったりベッドが良かったり、十分広い家が借りられたときはセミダブルにしてみたり、といろいろ環境を変えるので、てっとり早く整えられる脚付きマットレスが好きでした。
じゃあ今回も、ということで、お試しに2万円くらいのボンネルコイルの脚付きマットレスを導入です。
……すると朝起きたときに腰痛がない!
やっぱり体がコイルに慣れきってるのかなぁ。でも、一度高反発マットレスの触り心地を知るとコイルスプリングのゴツゴツした感じが気になってくるのです。
では、もう少しお高い国産の4万円くらいのポケットコイルの脚付きマットレスならどうか、と導入してみます。
これもまた朝起きたときに腰痛がありません。
もうこれで良いかなとしばらくは使っていましたが、やはり半年くらいで表面のゴツゴツに我慢できなくなります。
すのこベッドふたたび
そこでベッドフレームは国産すのこベッドと決め打ちして、マットレスだけ変えていくことにしました。
ちょっと前までは朝起きるときに腰の痛みなどなかったのだから、以前と同じ(ベッドフレーム+ポケットコイル)に戻せばいいじゃないか、その上で表面の触り心地の良いマットレスを探そう、とそう思いました。
前もそんな高いものを使っていたわけではありませんし、安いポケットコイルのマットレスを買いました。
でもこれはダメ。
いま通販で買えるポケットコイルの安物は柔らか過ぎるのです。だって丸めて真空パックで送られてくるんですよ。それだけ柔らかいんです。腰が沈みすぎてしまって、朝起きると鈍痛がします。もう少しお高めのポケットコイルなら、丸めての配送とかしないでしょうし、きっと良いのだろうと思います。がしかし、それじゃ面白くない、とよくわからない理由で、今度はボンネルコイルを選んでみました。
やはりボンネルコイルほどの硬さがあると朝起きたときの鈍痛はなくなりました。
でも安物ポケットコイルよりも更にコイル感がひどいです。寝るときにゴツゴツする…。
敷物を増やせば良いのかも知れませんが、高反発マットレスの触り心地が忘れられません。
高反発マットレスだと眠るときが気持ち良い
寝付きが良いので、寝ようと思えばすぐ眠れてしまうのですが、ベッドでごろごろ読書するのも好き。そんなとき、お尻にコイルスプリングが当たるのがやっぱり気になるのです。
その点、ウレタン系のマットレスだとゴツゴツした感じはまったくないので快適そのもの。
寝る前は高反発マットレスが良くて、朝起きるときはコイルマットレスのほうが良い。
しょーもない話とは思いつつもどっちを取るべきかかなり悩みました。
高反発といっても硬さはいろいろある
コトの発端であるウッドスプリング+高反発マットレスが、朝起きたときにヤバイくらい腰が重いのはわかりました。
そのとき買った高反発マットレスの硬さが180Nです。
でも調べてみると、商品ページでは180Nと謳いつつも実際にはそんなにしっかりしていない粗悪品もあるのだとか。
むしろ硬すぎてあわない場合もあるよ、と書いてあるページもあります。
なるほど、そういうこともあるのか、といくつか買って試してみることにしました。
10cm厚140Nに買い替え → 朝起きると腰が痛い
10cm厚110Nに買い替え → 朝起きると腰が痛い
5cm厚110Nの上に低反発マットレス → 朝起き上がれないかと思うほど腰が痛い
あぁ、わかった!
柔らかいのがダメなんじゃねーか!と。ここまできてようやくわかりました。
そしてまた楽天やAmazonで高反発マットレスを物色してみると、前に買った180Nなんてどこにもなくて、200Nや230N、更には306Nなんてあるじゃないですか…。
結論、硬い高反発マットレスが最高
こればかりは人に寄るので絶対とはいえませんが、ぼくにとってはすのこベッドと306Nの高反発マットレスの組み合わせが最適でした。
これだけひっぱっておいてこんな安物なんですけど…。
これが体に合うんだから仕方ないですよね(;´∀`)
これだと寝る前も起きた後も快適そのものです。買った直後は306Nというわりには柔らかくて、これは表記詐欺なんじゃ…と疑いましたが、翌朝まったく腰に痛みがなく、その後も半年間使い続けて腰の痛みを一切感じないので、表記はどうあれ、このマットレスの硬さが体に合っていたのだと思います。
ちょっと三つ折りってのが気に食わなくて、同じ硬さの一体成型のないかなぁと探してはおりますが、朝起きたときの腰の痛みで悩んでいる方の参考になれば幸いです。