投機的な短期売買ではシグナルより資金管理が大事

前回の記事「投資環境の昔と今と複利パワーをつらつら語る」に続いて投資のお話です。

前回は最近投資をはじめたばかりの人があれこれ語ったところで説得力はなかろう、と投資遍歴について軽く触れてから複利効果について話そうと思ったら異様に長くなってしまいました。

要は

  • 25歳~65歳までの40年間(480ヶ月)毎月5万円貯金すると2400万円になる
  • でもそれを年率7%で運用できれば1億3000万になる。あらびっくり!
という話をしたかっただけですw

今回は積立とは別にもう少し短い期間で売買するときのお話。

短期売買は投資ではなく投機であるという自覚を持つべき

株もETFも投資信託も安く買って高く売るのが基本です。当たり前ですね。
FXやCFDなどのデリバティブ商品は売りから入ることも簡単なので、高く売って安く買うでも良いです。

いずれにせよ、(売りまたは買いでの)エントリーをした後に高くなるか安くなるかのハイ&ローゲーム。こう聞くとギャンブルみたいですよね。

いえ実際、投資商品の短期売買なんてギャンブルみたいなものですよ。普通はおすすめしません。

前の記事でも書いたとおり、100年単位で見れば世界の経済成長は右肩あがりなわけです。四の五の言わずに今このとき買って、長~くホールドするのが安全確実なのはわかりきっています。

資金を必要とする企業に出資して、ゆっくりと成長を待つ。これが投資の大前提です。

一方で、40年も待ってらんない!リスクは承知の上で、短期売買でも利ざやを稼ぎたい!
そんな気持ちもよくわかります。
ぼくだって短期で稼げるなら稼ぎたいですし、実際に実践してもいます。

但し、あくまで投信やETFによる一定額の積立がメインで、サブとしての短期売買です。

投資自体、余裕資金で、それこそ最悪ゼロになっても生活には困らない程度の資金でするべきですし、短期売買ともなれば尚更です。割合は人それぞれですが、1000万の余裕資金があるなら900万を投資信託やETFで分散投資して、残りの100万くらいで短期売買するくらいでちょうど良いのではないでしょうか。

仮に余裕資金が100万程度、短期売買で使えるのが10万程度だったとしても、(おすすめするわけじゃないですけど)5~10倍程度のレバレッジ商品とかもあるので、やり方次第でびっくりするような利益を得ることもあります。…もちろんその分びっくりするような損失がでることも(;´Д`)

底値は誰にもわからない

○○ショックだー、世界同時株安だー、というわかりやすい大暴落時にも淡々と資金を突っ込める人が最終的には大きく利益を出す、とよく言われます。でも中途半端な知識で手を出すと痛い目を見ます。

暴落時は連日悲観ムードのニュースが流れるためわかりやすいのですが、暴落した!お得だ!買おう!と思った翌日も翌々日も暴落が続き、気がつけば何ヶ月も下がり続けていた、なんてこともよくあるからです。

じゃあ暴落時は我慢して、反転上昇したところで買おう、これがトレンドフォローだ、みたいなことを言う人もいますが、それがわかったら苦労しません。反転上昇と思いきや、ただの揺り戻しで、戻し売り圧力に負けて更なる暴落、とかも普通にあります。

じゃあいつ買えばいいんだ!となりますが、明確な答えはどこにもありません。テクニカル分析でダブルボトムがどうの、ラインブレイクがどうの、シグナルがどうの、という目安はあります。でもあくまで目安。

それで10回勝てたとしても、11回目の裏切りで全部なかったことになる、そんなの日常茶飯事です。なので、1回の投入資金は短期売買で用意した金額の10分の1以下ずつ。これは絶対の鉄則だと思っています。元手が数十万円くらいだと20分の1じゃ何も買えなかったりするので一応10分の1以下と書きましたが、できるのなら20分の1以下でも良いくらいです。

ではエントリーするときの目安はどうするのか、となるわけですが、これは正直なんでもいいです。過去に100冊以上の投資関連の書籍を読んできて、その中でもそんなことを書いているのは2~3冊くらいじゃなかったかなと思いますが、大事なのは建玉の管理であってエントリーの規則自体はほんとに何でも良いんですよ。…気分とか、底値に見えたから、とかそういう目に見えないものじゃなければ。

エントリーの規則は何でも良いけど、同じルールで続けられるものでないと優位性が目に見えず、気分次第で変えてしまうのでダメなんです。例えばRSIが20を切ったらエントリー、ストキャスが一桁になったらエントリー、移動平均乖離率が2%を超えたらエントリー、そういう目に見えて、その後も同じことが続けられるルールなら良いってことです。

目に見えていても、エントリーごとにルールを変えるのもよくありません。せっかく10分の1ずつ小分けで買っているのに、1回目はRSI 20を切ったから、2回目は乖離率が~とか、そういうことをしているとテクニカル分析がただのエントリーする理由付けになり、気分で買っているのと何ら変わらなくなるからです。せめて、建玉の決済が完了するまでは同じルールでエントリーし続けましょう。

それと同時にエグジット(決済)のルールも決めておかなければいけません。どちらかというとこちらのほうが難しいです。それは感情が乗りやすいから。

例えばRSI 20でエントリー、RSI 80でエグジットと決めて、最初はそのルールに従っていたとしても、その後、株価がどんどん上昇するのを見続け、あぁまだ売るんじゃなかった!損した!と思うのが人間なんです。実際は普通に利益出てるのに。そしてこの次はもう1日だけ待とう、とルールを変えて待った結果、予期せぬニュースが舞い込んできて含み益が吹き飛ぶ。よくある話です。

アルゴ売買が主流になるのもわかる

今現在、投資の世界ではAIによるアルゴリズム売買が主流と言われています。

2018年2月のVIXショックなんかも、恐怖指数と呼ばれるVIX指数が上昇したことにより、アルゴリズム売買による売りが売りを呼び、急落したなんて話もあります。

それだけ聞くとマイナスイメージを持たれるかも知れませんが、実際問題、プロスペクト理論で提唱されているように人間は統計や確率による判断よりも感情的な部分を優先してしまいます。100万円儲ける喜びよりも20万円損する悲しみのほうが大きいのです。

具体例を出すなら、含み損がマイナス20万円になったときに損切りできず、さらにマイナスが100万まで膨らんだあとに数ヶ月かけてプラマイ・ゼロまで戻ったのでようやく決済して、イーブン。ほっと一息、ああよかった、と思う人。
…………ぼくです。

後から考えればマイナス20万の時点で損切りしておいて、更に下がった後にあらためてエントリーすれば損失分を覆して利益すら出ていたのに、感情で裁量取引をしているとそううまくは動けないものなのです。
プロスペクト理論でいう損失回避性ですね。

だからこそ、エントリーとエグジット、そしてロスカットのルールを守り続けることは大事。

こんなことあちこちで書かれているし、投資をはじめようと事前に勉強している人なんかには耳タコな話だろうと思いますが、実感を伴わないと結局同じ道を歩んじゃうんですよね。だからロスカットはルール化どころか、もうエントリー時に設定しておくべきなんです。FXやCFDなんかでは当たり前にある機能ですが、一定額まで下がったら自動決済しちゃう仕組みです。そうでもしておかないと手動での損切りなんてなかなかできるもんじゃありませんから。

バックテストは自分を納得させるためのもの

株価や株価指数の過去データは、あくまで過去の値動きであって、目安にしかなりません。

がしかし、決めたルールが過去データで有効だったかどうか確認するだけでも安心感が違いますし、安心感があるとルールを守ろうという気になります。

結局のところ、個人の投資って自分の感情をコントロールすることだと思うんですよね。

他人にいくら説明されたところで、自分の大事なお金を運用する場面においては、やっぱり自分の感情を最優先しちゃいます。だから、どれだけえらい人がテクニカル分析の説明をしていても投資書籍をどれだけ読んでも、心の奥深くでは信頼しきれないし、信頼して良いものでもないと思います。

泥臭いやり方ですが、自分で過去データをひっぱってきて、Excelを使ってバックテストして、ああたしかにそんな値動きなんだ、と理解してこそ、ようやくスタートラインに立てるんじゃないかなってそんなふうに思います。

ええと、今回は

  • 短期売買は投機であること
  • エントリー、エグジット、ロスカットのルールを明確にすること
  • そのためにはバックテストをして自分を納得させよう
という話をして、さあExcelでの実例です、となるはずが、予定よりだいぶ長くなったので、続きはまた次回。

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