Oculus Link用に買ったAnkerのUSBケーブルは少し取り回しづらい
先日、Oculus Questを1ヶ月以上使ってみた率直な感想でも書きましたが、Oculus Questはそれ単体で完結するVRヘッドセットでありながら、PCと繋げて遊ぶことも出来ます。
Quest購入前から、Oculus Linkを使う気まんまんではあったのですが、うちにはUSBケーブルが30本くらいあり、Type-Cも5~6本はあったのでどれか使えるのではないか、という期待からヘッドセットと同時にケーブルをポチることはしませんでした。
………が、結果は全滅w
そうなるとまず最初にOculus公式で売っているUSBケーブルを買うかどうか悩みます。
Oculus公式のUSBケーブルはUSB 3.2 Gen1
Oculus公式ではOculus Link用のUSBケーブルを販売しています。
https://www.oculus.com/quest/accessories/
おねだんなんと10,200えん…。たけぇ…w
気になった仕様は下記のとおり。
長さ | 5m |
外径 | 4.6mm |
タイプ | フル機能のUSBアクティブ光ケーブル |
コネクター | ヘッドセット:右アングルUSB Type-C PC:ストレート Type-C |
信号要件 | USB 3.2 Gen 1 (最大速度5 Gbps)、USB 2 後方互換性 |
帯域幅 | 5 Gbps |
USB 3.2 Gen 1と聞くと、なにやらすごい新しい規格に見え、うちのPCに付いているUSB3.0コネクターで接続できるのか?という疑問がまず浮かびました。
USB3について調べてみた
調べるも何もWikipediaさん見るだけなんですけども。
規格 | 転送速度 | 最大ケーブル長 | 給電能力 |
---|---|---|---|
USB 3.0 | 5 Gbit/s (実際は4Gbit/sが上限) | 3m | 900mA |
USB 3.1 Gen 2 | 10 Gbit/s | 1m | 1000mA |
ん? ……んんん?
USB 3.2 Gen 1 なんてないじゃん。
更に読みすすめると、こんな記述が。
USB 3.1 Gen 1 | 従来のUSB 3.0のこと(転送速度5Gbps) |
USB 3.1 Gen 2 | USB3.1で新しく拡張(転送速度10Gbps) |
USB 3.2 Gen 1 | 従来のUSB 3.0、USB 3.1 Gen 1 のこと |
なん…だと…。
要するに「USB 3.2 Gen 1」は従来の5GbpsのUSB3.0と同じ規格ということですね。
それならうちのPCのUSB3.0でも問題なさそうです。
しかし、USB3.0かぁ。前の記事でも書きましたが、HDMI 2.0の転送速度が18Gbpsなので、USB3.0の5Gbpsは見劣りします。しかも実効速度は4Gbpsらしい。もしや公式のOculus Linkケーブルならそこを謎技術で5Gbpsにしているのか…?
…なーんてことも考えてみましたが、更に調べてみるとUSB3.0では8bitのデータを10bitに変換して転送しているとのことで、規格が同じなら転送速度の上限は変わらないでしょう。
そのため、公式のOculus Linkケーブルのメリットは下記のとおりと判断しました。
- 光ファイバーを使うことにより、信号の減衰を抑え規格上限である3mを超えた5mのケーブル長を実現している。
- 一般的なUSB3.0ケーブルにくらべるとしなやかで取り回しやすい。
- ヘッドセット側のコネクターがL字になっており、激しく動いても外れづらい。
うーん、このメリットのために1まんえんを出すか否か…。
結局、AnkerのUSB3.0ケーブル3mを購入
いやー、だってケーブルに1万円はつらいでしょーw
Oculus公式でもAnkerのこのケーブルはテストされており、信号の減衰が少なくて優秀、なんてコメントも出ていましたし。
実際、うちにあるUSB-Cケーブルではまったく認識すらされなかったOculus Linkが、このケーブルに変えたとたん一発認識ですよ。
AnkerのUSB3.0ケーブルは太くて取り回しづらい
このとおり、ケーブルの線はなかなかの太さ。
そりゃまさかVRヘッドセットで使うために作られてはいないでしょうし、折り曲げ耐性や引っ張り強度が従来の5倍であることを売りにしている製品ですから、そりゃもう太くて頑丈。
そのためヘッドセットに付けた場合はあまりスムーズに曲がってくれず、Beat Saberなどで激しい動きをすると辛いです。
Oculusの公式ケーブルは使ったことありませんが、過去にDell VisorやOdyssey+といった有線ヘッドセットは使ってきています。それらと比べるとあきらかに取り回しが固くてやりづらい。
でもなー、1万円の公式ケーブルと比べてこちらは1,199円ですからね…。多少のことは許容しましょう。
コネクタがL字ではないので若干外れやすい
Oculus QuestとAnkerのUSB3.0ケーブルを繋げたところですが、見てのとおり、ヘッドセットの真横から飛び出す形になるため、このまま使うと外れやすいです。
想像してもらえればわかるかと思いますが、ケーブル長が3mしかないため一般的なVRヘッドセットの5mに比べると2mも短く、自然とケーブルを引っ張ってしまう場面が増えます。
実体験として、BeatSaber等で横移動した際、ケーブルが引っ張られ、するりとコネクターが抜けることが何度もありました。
ただ、これは改善可能です。
写真を取り忘れてしまったので文章の説明になりますが、Quest側のコネクターに繋げたまま、ケーブルを後頭部のほうにまわすんです。
そして後頭部を抑えるバンド部分に↓こういうベルトでケーブルを固定しちゃうの。
Ankerのケーブルに付属しているマジックテープで巻いても良いけど、微妙に短くて外れやすいです。
結束バンド(インシュロック?)を使っても良いけれど、微妙に後頭部が痛くなるのでw マジックテープ式のほうがオススメかな。
まぁ従来の有線型PCVRもヘッドセットの本体は前面部分だから、ケーブルは顔の横あたりから出ていて、いいかんじに後頭部のほうまで取り回しているだけじゃないですか。それと同じことをしてあげれば良いのです。
Questの場合は横からまっすぐ出ているので、ちょっと不格好にはなりますけどね。
だからといってL字コネクターは買わないほうがいいよ!
Oculus Linkでは使えないケーブル
具体的にはこういうの。
TypeCと書いてあるからといってUSB3.0とは限りません。
実際、上に貼ったケーブルはUSB2.0用だからOculus Linkでは使えません。
いや、正確に言うと最近のアップデートでOculus LinkがUSB2.0にも対応したから使えるっちゃ使えるんだけど、どうせ買うなら綺麗な映像が出たほうが良いでしょう? 転送速度が落ちるとフレームレートも落ちますから。
それからもうひとつ、こういうL字コネクターもダメ。
これは実際ぼくも買ったのだけれど、認識率が悪すぎます。
認識率ってなんだよ、って思いますよねw
でもそうとしか言えない。AnkerのUSB3.0ケーブル3mに上記のL字コネクターを付けた場合、Oculus Linkとして認識されたり、されなかったりするのw
不安定すぎてさすがにオススメできません。ほんのわずかの接点なんだから良いだろうと思ったけど、信号の減衰なんだろうなぁ。
まとめ
- Oculus Linkを使おうと思ったけど自宅にあるケーブルでは全滅だった。
- Oculus公式ケーブルも検討したが、+2mの差のために1万円は出せなかった。
- AnkerのUSB3.0ケーブルは噂どおり太くて取り回しづらいケーブルだった。
- 但し、ワンタッチベルトとの組み合わせで後頭部からケーブルを出すことでそこそこ快適になった。
といったところでしょうか。
超快適とはお世辞にも言えないけれど、AnkerのUSB3.0ケーブル3mでもそれなりにVRゲームを遊べますよ、という話でした。
ちなみに電源付きのUSB3.0 HUBとかリピーターを使って3m以上に延長している人もいるらしい。更に相性がキツくなるだろうけれど、チャレンジャーの方はそちらもどうぞ。