PC/PS4/Switchでスピーカーを共有したくて試行錯誤した話
広いリビングに大きなテレビを置いて家族団らんしながら映画を見たりゲームをプレイしたりする。
そんな環境ならば特にゲーム機の接続に悩んだりすることもないでしょう。最近のテレビはHDMI端子が4つくらい付いているし、スピーカーシステムを繋げるのにもわざわざゲーム機ごとに接続なんてせずにARC機能で一発です。素敵ですよね、ARC。たまにうまくテレビと連動してくれなくてムキーッ!ってなることもありますケド。
今回はそんな素敵リビング環境ではなく、ゲーミングPCに大きな32"くらいのゲーミングディスプレイを付けてしまい、いっそこのPCまわりでPCゲームもPS4もSwitchもプレイしたい、と思ってしまった残念おじさんのお話です。
ゲーミングディスプレイの罠
ぼくが気に入っているゲーミングディスプレイOMEN by HP 32″は今ではそれほど珍しくない大きさかも知れませんが、発売当時としてはなかなかなビッグサイズでしたし、フルHDよりも解像度の高い2560x1440pxで、IPSパネルより応答速度の早いVAパネルというのが魅力的でした。
更に言うと、ドットピッチが24"フルHD液晶と同等なので、24"液晶を使っている人なら文字サイズは変わらないままデスクトップ空間だけが広くなるため、違和感なく移行できるという点も見逃せません。
しかし、「ゲーミング」の名を冠しているせいでしょうか。ディスプレイにスピーカーは付いていません。
こんな製品を使うユーザーはディスプレイ内蔵のしょっぱいスピーカーなんか使わないという判断でしょう。
それは正しい。正しいのですが、音声出力は付けてほしかった…………。
PCのことだけ考えるなら別に良いんですよ。内蔵サウンドでもサウンドカードでも、PC本体のほうから音声出力して、外部スピーカーに繋げるだけです。何てことありません。
問題はPCとPS4とSwitchとか、PC以外のゲーム機材を繋げるケースなんですよ。PS4もSwitchも音声はHDMIで出力するのが前提なのか、PS4ではアナログ出力がない、Switchではデジタル出力がない、という状態です。
なにそれ、イジメなの。
HDMIから音声を分離させようと考える
例えばこういうのです。
HDMIの入力が4系統付いており、途中で音声だけ分離して光デジタルやステレオミニジャックから出力可能で、もちろんディスプレイには映像をパススルー、と性能だけ見れば完璧です。
これさえあれば、PC/PS4/SwitchをHDMIで切替器に接続し、ステレオミニジャックをスピーカーへ、HDMI出力をディスプレイへと接続すれば夢の(?)ゲーム環境が出来上がる。そんなふうに思っていた頃がありました…。
いえね、実際PS4やSwitchのほうは想定どおりの動きをしてくれるのですよ。
ところが、Windowsくん!こいつの頭が固いんです。サウンドの設定画面から音声の出力先を切り替える機能があるのですが、HDMI切替器を付けてもディスプレイ(HDMI)がグレーアウトして選べないのです。
つまりね、HDMI経由でそのディスプレイが音声出力を持っているかどうかを判定しているっぽいのです。でもって音声出力を持っていないディスプレイに対して、音声信号を流すなんてできないよっ!とグレーアウトするわけ。
余計なお世話ですわ!
一方でPS4とSwitchは何も気にせず(接続先がスピーカーのないディスプレイであろうとも)HDMIに音声信号を流してくれるので、先ほどの切替器で音声分離が問題なくできるってわけです。
HDMI切替器の中にはエミュレーション(スピーカー付きディスプレイと偽装)機能を持っているモノもあるようなのですが、Amazonの商品説明くらいじゃわからないのと、けっこうお高い上にフルHDまでしか対応してなかったりするので、ちょっとこの方向性は諦めました。
スピーカーを買い換えるという考え方
例えばこれです。
このBEHRINGER MS40は実際に買ってしばらく使っていましたが、接続面では快適そのもの。
- PCはステレオミニ(LINE1)と接続。
- PS4は光デジタルで接続。
- SwitchはRCA(LINE2)で接続。
と、非常に綺麗にまとまった上に切り替えの必要がないのが最高。内部にミキサーでも持っているんですかね。
同時に音を鳴らすのはなんか怖ったですが、特に問題なくミキシングして出力してくれました。
このスピーカーの音質とか設置場所に問題ないなら普通におすすめです。
ただ、細かいことを言うと、このBEHRINGER MS40さん、
- 電源ON/OFF時のポップノイズ(ぼふっというアレ)がちと大きい
- 横幅が17.3cmとかなりあるので、32"ディスプレイの横に置くには机のサイズ120cmでギリギリ
- モニタースピーカーというワリに低音強めで調整必須
といった多少気になる部分もありました。
低音が強すぎると音楽ならボーカルが、映像作品なら音声が聞き取りづらくなるのであんまり好きじゃありません。
ただ、TREBLEである程度調整できるので、PCスピーカーとしては十分というか、贅沢なくらいの音質にはなってくれます。
やっぱり気になったのは大きさですかね。もう少しスリムだと良かった。
アンプという選択肢
↓アンプと言ってもそこまで本格的ではない、こういうデジタルアンプです。
そこまで音質にこだわるタイプではないと思っていたのですが、MS40が(それまで使っていたGigaworksとかと比べると)地味に良いスピーカーだったので、デジタルアンプ+パッシブスピーカーの組み合わせが気になったというのもあります。
ついでに、デジタルアンプ側にUSB入力、光デジタル入力、アナログ入力があるならMS40と同じようにPC/PS4/Switchが繋げられるじゃないか、と思ったわけです。更に言うと前面にヘッドホン端子が付いており、ヘッドホンアンプとして使えるのもポイント高いです。
パッシブスピーカーのほうはまずはお試し、ということで最初はこの安くて評判の良いYAMAHAのNS-BP200を選びました。
これ、ヤバイんですよ。
オーディオに詳しい人には鼻で笑われてしまうかも知れませんが、今まで使っていたPCスピーカーと全然違う。
木が…鳴ってるんです。
何言ってんだって感じですが、PCスピーカーってたいていプラスチック製だし、MS40はせっかくの木製キャビネットなのに、なんでか低音マシマシで中高音が眠い感じ。単体で聞けば十分贅沢な音質ですが、MS40とNS-BP200を並べて聴き比べると… MS40は…その…ごめんなさい。
ズンズンと迫力のある音が好みの人には先ほどのMS40のほうが良いと思いますが、ぼくはこっちのYAMAHAのスピーカーがえらく気に入りました。中高音が自然にまわりこんできて、包まれる感じ。定位が良いとでも言うんですかね。
スピーカー本体がけっこう大きいわりには低音は少なめなのですが、スカスカというわけでもなく、ここぞというところでボフンと優しくフワッと持ち上げられるような、床暖房のような低音が来るんです。
ゲームやアニメも好きですけど、休日に流しっぱのBGMはジャズが多いので相性バッチリでした。
ただ、大きさがね…。
幅15.4cmとMS40よりは若干スリムになりましたが、奥行きがヤバイ。28.7cmもあるので机(奥行き60cm)の上に置いたら、半分くらいスピーカーですよ。圧迫感やばいです。
いつものぼくならとっととスピーカー自体を買い替えてしまうところですが、パッシブスピーカーの魅力にやられてしまったので、もう机の上にスピーカーを置くのは諦めてこんなスピーカースタンドを買い、机の外側に置いて使うことにしました。
トールボーイは意外と邪魔にならないことに気がつく
あるとき、ふと気がついてしまったんです。
NS-BP200は幅15.3cm、奥行き28.7cmもあるけれど、
NS-F210なら幅10.6cm、奥行き18.6cmしかないじゃないか、と。
Amazonの商品ページではスタンドを含んだ寸法しか書いてなかったので気がつきませんでしたが、ヤマハのページで細かい寸法を見ていたら、アレこれはNS-BP200よりも幅、奥行きともに小さくてスリムなのではないか、と。
それなら、ゴツいスピーカースタンドにNS-BP200を載せるよりも、トールボーイ型のNS-F210のほうがスリムで場所を取らないのではないか、と。
これがもう大正解。机とワゴンをL字に配置したら、その隙間にちょうどいい具合に入るんです。
音の特性はNS-BP200とはちょっと違って、中高音部分で包まれるような感覚が控えめになった一方、低音が強調され、映画やゲームでの爆発音がズドンとくるように。かといって、中高音がこもっているわけでもないので、音楽も十分楽しめる。
本来は4本買って、ウーハーも付けて大迫力なホームシアターにするものなのでしょうけれど、デスクトップシアター的にはNS-F210の2本だけでも十分です。スピーカーとの距離が近いからキャビネットから鳴る低音を体で感じることが出来ますし。
音楽素人のぼくがこんなことを語ってもアレなのですが、玄人過ぎる人のコメントはそれはそれで難解すぎるので、似たようなレベルの人に伝わればいいなぁ…。
まとめ
PC/PS4/Switchでスピーカーを共有するために試行錯誤していたら、気がつけばデジタルアンプとトールボーイ型スピーカーを買っていた。何を言っているのか分からないがry という状態ですが、今の環境は個人的にかなり満足しています。
ただ、Switchに関して言えば、これはもう設計上の不具合だと思うんですけど、Wifiのせいか、アナログ出力にノイズがのって聴くに耐えないので、アナログ接続はおすすめできません。まぁそもそもイヤホンジャックですしね…。
ぼくが買ったような4入力1出力の音声分離機能付きHDMI切替器は少々大げさなので、Switch用に上に貼ったようなHDMIデジタルオーディオ分離器があると便利かも知れません。HDMIからの音声分離ならSwitchでもノイズは皆無でした(スプラトゥーンで確認済)。
まぁ、内蔵スピーカーか、音声出力の付いたディスプレイさえあれば、それ自体が切替器の役割を持つので、ここまでの話ぜんぶどうでも良いことになっちゃうんですけど…ね(;´∀`)
ただ、ぼくも何度もディスプレイを買い替えてはみたのですが、結局このOMEN 32"に戻ってしまっているんですよねえ。
とある43"は半光沢が気に入りませんでしたし、とある42.5"は端っこの部分が5mmほど見えないという理解不能な不具合を抱えていましたし、とある34"ウルトラワイドはフルHDのアニメやゲームがメインのぼくには横の黒帯が気になって気になって仕方ありませんでしたし。
あと、4Kディスプレイにすると無駄にビデオカードのパワーが必要になりますし、現時点では2560x1440pxくらいが使いやすいなぁと感じています。