レンタルサーバーは月額180円のVALUE SERVERにしたという話
本業のほうでは業務系(顧客管理とか請求管理とか事務処理系の色々)のWebシステムを開発しており、それらは社内ネットワークで完結するモノなので、自前でWebサーバーを構築することが多いです。
たまに外部からのアクセスが必要な案件もあるので、昔はグローバルIPを取ってファイアウォール設置してガチガチにセキュリティ対策を施してログ監視もして、なんてやっていましたが、VPSの登場でそのへんも楽になりました。それどころか今どきはそのへんまとめてクラウドサーバーに丸投げできちゃいますね。
一方、趣味で運営しているHPやブログの場合だとそこまでお金かけられないし、下手に自由度の高いVPSなんて借りて中途半端なセキュリティ対策しかしなかったら気が付かないうちにクラッカーの踏み台にされている未来しか見えません。
(実際、ログ監視をしていると個人向けのVPSサービスからのアタックが多く、大抵は気が付かずに踏み台にされています)
そんなわけで、最低限WordPress用にPHPとMySQLが、それに加えて可能であればPostgreSQLも使えたら嬉しいかな、というレベルでレンタルサーバーを探したというお話です。
まぁタイトルにあるとおりVALUE SERVERを選んだんですけどね。
VALUE SERVERを選んだ理由
- エコプランなら初期費用1080円、月額180円という二度見する安さ
- ディスク容量50GBもあれば十分
- 無料SSL(Let's Encrypt)が使える
- PHP 7.2に対応している
- MySQL / PostgreSQLがそれぞれ1つずつ使用できる
- 快適に使える目安として「転送量150GB/月以下 アクセス数150万PV/月」という記述がある
といったところでしょうか。
知人の中にはロリポップやさくらのレンタルサーバーを使っていて案外悪くないよと言っている人が何人かいたため、それらも検討したのですが、PostgreSQLがないんですよねー。ほとんど不要といえば不要なんですが、自前で作ったプログラムでPostgreSQLにしか対応していないものが一部残っているので、あればあったで嬉しいです。
あと、さくらの場合、MySQLが使えるのが月額515円以上のプランだったので、じゃあVALUE SERVERの180円のほうが安いよね、と。
SSLが無料って素晴らしい
最近はGoogleが常時SSL接続を推奨しはじめたということもあり、無料SSLに対応するレンタルサーバーが増えて嬉しいですね。ほんの数年前までは独自SSLといえば証明書とIPアドレスが1対1だったので、複数の…場合によっては100以上の…サイトが同居するレンタルサーバーでは独自SSL対応は難しかったですし、出来たとしてもIPアドレスを割り振るために有料オプションなのは当たり前でした。
年額3万円以上払ってSSL証明書を購入しVPSサーバーへインストールしていた頃が懐かしいです。
すぐにRapidSSLやCOMODOをはじめとした年額4,000円以下の安価なSSL証明書(中間CA証明書)も登場したので、証明書の価格はさほど問題ではありませんでしたが、固定IPアドレスが必要な点が悩ましいところでした。
1つのサーバー(IPアドレス)で複数の証明書が使えるSNI(Server Name Indication)が登場したのもまだけっこう最近じゃないですかね?
たしかさくらのレンタルサーバーがいち早くSNI SSLに対応して、その後VALUE SERVERも追従するように対応していた記憶があります。
そのへんの実装方法(コントロールパネルでどうやってSSL証明書を設定するのかなーとか)が気になっていたので、実は数年前からVALUE SERVERのスタンダードプラン(月額360円のやつ)は実験用に契約してたんです。
なら、プランの比較もできるから、エコプランを追加で契約してみようかな、と今回契約してみたのですが、いつのまにかコントロールパネルが新しくなり、無料のSSL証明書が設定できるようになっていたのには驚きました。
中身はLet's Encryptなので、自分で発行手続きをすることもできるのですが、Let’s Encrypt Clientを入れたり鍵コピーしたりとこれがけっこう面倒くさいんですよ。このわずらわしい手順を一切せずに、コンパネ上でクリック一発で無料SSL設定してくれるとか、便利すぎて唖然としました(;´∀`)
こんなに簡単なら、もはや個人サイトでもSSLにしない理由が見つかりません。
VALUE SERVERのエコとスタンダードプランの違い
下記ページにあるとおり、プランによってディスク容量、最大ファイル数とかの違いはあるのですが、パフォーマンスについては正直よくわかりませんでした。
バリューサーバー
実際に借りているエコとスタンダードの両方に同じ手順でWordPressを設置し、同じ数だけ記事をインポートし、しばらくテストしてみたのですが、レスポンスの違いを感じることはできませんでした。FTPのアップロードやダウンロードの速度についても明確な差異は見受けられませんでした。
計測ソフトとか使ったら多少変動するようなのですが、その程度の差なら時間帯や同居している他のサイトの影響のほうが大きそうですし、エコとスタンダードには体感できるほどの差異はないと考えて良いのではないでしょうか。
mixhostでも試してみた
最初、WordPressをインストールした際、管理ページのもっさりとした動きに、やはりVALUE SERVERではちょっと非力過ぎたかなと後悔しそうになりました。
実測するのは面倒だったので体感レベルで申し訳ないのですが、ひとつひとつのメニューを開くたびに3~4秒ほど待たされていたんです。インストールして10記事も投稿していない状態でそんな遅さ。
一方で、別件で借りていたmixhostというレンタルサーバーのほうにも試しに同じ手順でWordPressをインストールしたところ、管理ページの速度はとても快適でした。ほとんどのメニューが1秒以下で開けます。サクサク快適。
mixhostは速度にこだわったレンタルサーバーで、ストレージは全部SSDだし、WebサーバーはApacheではなくより高速化されたLiteSpeedを使用、さらにLiteSpeedはLSAPIというPHPの高速化に特化した仕組みを持っているんですよね。ベンチマークの結果を見るとApache+mod_phpよりもLSAPIのほうが1.5倍ほど早いそうです。
ちょっとmixhostに変更したくなりましたが、月額880円のプランからなので、まぁアクセス数が増えたらで良いかなと考え直しました。
PHP5.6と7.2では速度が全然違う
VALUE SERVERのPHPは5.6がモジュール版で、それ以外を選ぶとCGI版になります。一般的にApacheと同じプロセスで動作するモジュール版のほうがパフォーマンスが良いとされているのですが、PHPのバージョンの差異による影響のほうが大きかったです。
ベンチマークによってはPHP5と7で3倍くらいの違いが出る場合もあるとか。
実際には体感で3倍ほどの差を感じることはないのですが、WordPressの管理ページの各メニューを開くのに3~4秒かかっていたのが、ほとんど2秒以下になったので効果は絶大でした。
VALUE SERVERでPageSpeed Insights
VALUE SERVERにWordPressを設置し、GoogleのPageSpeed Insightsを実施してみたところ、モバイルで72/100、パソコンで91/100くらいでした。
単純にWordPressをインストールしただけだと50点台と厳しい点数だったため、以下の作業もしています。
- VALUE SERVERのコントロールパネルでPHP5.6をPHP7.2へ変更
- WordPressのテーマにはSimplicity2をインストール
- Simplicityの高速化.htaccessを設定
https://wp-simplicity.com/simplicity-speed-up/ - WordPressのプラグインAutoptimizeでJavaScriptとCSSを圧縮
この後、WordPressプラグインのWP Super Cacheも入れたら72点から75点に3点だけ改善されましたが、誤差かも知れません。
いずれにせよ、このくらいの点数が出るならエコプランでも十分かな、と。そのうち速度に我慢できなくなったらmixhostに移転するかも知れませんが、しばらくはVALUE SERVERのエコプランでいこうと思っています。
ケチくさい気もしますが、月額180円のレンタルサーバーでどこまで出来るのか試すというのもけっこう楽しくないですかね(*´ω`*)