IT系おじさんのチラシの裏
2018年10月~
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RTX2060とRX6600の消費電力・温度・ファン回転数による騒音の比較

先日の「消費電力を測るならワットチェッカーよりスマートプラグのほうがオススメな理由」という記事の中でも軽く触れていますので、そちらをご覧の方は既にご存知かと思いますが、結論から言うとビデオカードをRadeon RX 6600に変更して消費電力でも静音性でも大満足しております。

相変わらず無駄話が多いので、お急ぎの方用に先にざっくりまとめておきますが、RTX2060→RX6600で、アイドル時の消費電力は34.8Wから30.5Wに、FF15ベンチ中の消費電力は286.7Wから236.1Wへ減少し、ピーク時の騒音も55dBから45dBへと減少、それでいてベンチのスコアは微増、という結果になり、RX6600に買い替えて良かったと感じています。

RX 6600 Challenger Dを選んだ理由

今回選んだグラフィックカードはASRock製のRX 6600 Challenger D 8GBです。今までは予算を4~5万円と見積もり、売れ筋のビデオカードからテキトーに選んでいましたが、今回は明確に条件を決めて探していました。

キッカケはXbox Series Sを購入し、そのあまりの静かさに感動したこと。アイドル状態での静かさならさほど驚きはありませんが、Forza Horizon 5のようなレースゲームではもちろんのこと(エンジン音のほうが圧倒的にうるさい)、HITMANなどの静かなステルスゲームをプレイ中でもまったくと言って良いほどファンの騒音が聞こえません。それこそXbox本体に耳をべた付けして、ようやく動いているのが確認できるレベル。

よくおすすめのビデオカードの一覧を紹介しているようなページでは、RTX3060がミドルクラス、RTX3070がミドルハイ、RTX3080がハイエンドというような紹介がされていたりしますが、ビデオカードってそんなふわっとした基準で選んで良いものでしょうか?

ゲーム開発者側の立場になって考えてみると、どんなにすごいゲームを作っても売れなければ話にならないので、(今後PS4は切り捨てるにしても)Xbox Series S|X、PS5で快適に動作し、解像度を落とせばなんとかSwitchでもプレイできる、というのがひとつの基準になるのではないでしょうか。

何が何でもゲームオプションはすべて最大!解像度は4K!フレームレートは120fps出ないと満足できない!!という人は別ですが、個人的な感想を言わせてもらうと27インチ程度のPCモニターを60cm程度の距離で眺める環境ならフルHDと4K映像の区別がほとんどつきません。

31.5インチ以上の画面を60cm程度の距離で見るとなるとさすがにパッと見で精細度の違いを感じますが、それでもWQHD(1440p)と4K(2160p)の違いは静止画で見比べても、ぼくの目では全然わかりませんでした。

ついでに60fpsと120fpsの違いについてもゲーミングモニターを買って頑張って見比べたのですが、ものっっっすごく集中してようやくわかるレベルでした。具体的にはFPSゲーム中、真後ろに振り返るときに建物が残像ではなく物体として見えた、という感じ。60fpsと120fpsは世界が違う!という人もいるのでお恥ずかしい限りですが、ぼくにわかった違いはその程度。

まぁともかく、自分としては、

  • ゲーム中のビデオ設定を最高にしてフルHD/60fpsでぬるぬる動けばオーケー。
  • ビデオ設定を「中」くらいにしてWQHD/60fpsで快適動作するなら尚可。
  • 4Kは不要。
  • それでいてなるべく静かで温度が低いグラボ。

という条件になります。

ちなみに4Kを知らないわけではなく、「ViewSonicの31.5″ 4K液晶をVX3211-4kをしばらく使った感想」で書いたとおり、PCモニターでは31.5"、42"、43"の4Kモニターを使っていましたし、55インチの4Kテレビもありますが、机でPCゲームをプレイする、という条件においては24~27インチのフルHDがもっとも合理的ではないかと感じています。

こうしてブログを書くときは広大なデスクトップ空間にブラウザを並べて作業すると便利なので31.5" WQHDを愛用してますけど、ゲームするときはやや椅子をひいて距離を取らないと画面全体が見えないのでちと不便なんです。

…話がちょっと脱線しましたが、ともかく、上記の条件を考えると要はXbox Series Sくらいの性能で十分なわけです。そして以前の記事でも書いたとおり、(乱暴な書き方ですが)ざっくり言うなら↓こんな感じ。

Xbox Series X ≒ Ryzen7 3800X + Radeon RX6600XT
Xbox Series S ≒ Ryzen5 3700X + Radeon RX5500XT

そしてTDPとベンチマークスコアを表にするとこんな感じ。

RadeonTDP3DMark(TimeSpy)ワッパ
RX 5500 XT130W4,71736.2
RX 6500 XT107W4,96546.4
RX 6600132W8,13161.5
RX 6600 XT160W9,72760.7
GeForceTDP3DMark(TimeSpy)ワッパ
GTX 1060120W3,82031.8
GTX 1660120W5,41945.1
RTX 2060160W7,52847.0
RTX 3060170W8,76651.5

こうして並べてみるとRX 6600のワットパフォーマンス(=スコア÷TDP)が際立ちます。

性能的にはRX6500XTでも十分かなと思ったのですが、

  • まだ発売したばかりで実勢価格が3万円程度だったこと
  • Cyberpunk 2077というクソ重い3DゲームではフルHDの中設定でも40fpsくらいしか出ないこと(Xbox Series Sでも30fps動作)
  • ワッパ(ワットパフォーマンス)がイマイチなこと

以上の理由により、RX6600にしました。実勢価格4万円ほどでしたし。

1か月経った今ではRX6500XTは2万円台まで下がったので、だいぶ有力な選択肢になってきた気がします。

それから、今時のグラボでは当たり前になりつつありますが、0dB サイレントクーリングという技術があります。

……………………大層な名前が付けられていますが、低負荷時に冷却ファンをまわさない、というだけのことです。

電源ファンで言うところのセミファンレス、というやつですね。

うちはこのCorsair製のRM550xというセミファンレス電源を使っているため、低負荷時は電源ファンもGPUファンもまわらず、ケースファンとCPUファンだけが静かにまわっている、という状態になるわけです。

ASRock Radeon RX 6600 Challenger D 8GBの外観

■RX 6600のパッケージ
RX 6600

■RX 6600のパッケージの中身
RX 6600のパッケージの中身

最近はドライバーCDも付いてこなくなりましたね。昔と違ってデスクトップ画面だけならOS標準ドライバーで普通にフルHD以上で表示できるし、RadeonのページからドライバーをDLすれば良いだけなので全然構いませんけれども。

■RX 6600の端子とファン
RX 6600の端子とファン

ミドルクラスでは標準的な構成で、HDMIポート x 1、DisplayPort x 3です。HDMI多いほうが嬉しいんだけれど、1ポートあたりのロイヤリティが高いらしいので仕方ない。

ファンはデュアルファン仕様。たまに勘違いされる方もいますが、グラボに関していえば基本的にはファンが多いほうが静かです。

同じサイズのファンを搭載するなら、高速回転の1基よりも低速ファンを複数載せたほうが総合的には静かだからですね。

PCケースに取り付けるケースファンの場合はファンサイズの制約が少なく、140mmや200mmといった超巨大なファンを超ゆっくりまわすという選択肢があるため、ファン数が少ないほうが静か、ということもあります。

■RX 6600の基盤とヒートシンク
RX 6600の基盤とヒートシンク

ASRockのロゴが入った黒いプレート部分が基盤で、グラボの3分の2くらいのサイズしかありません。残り3分の1のスペースにヒートシンクとファンが飛び出ている形ですね。

そのためこのグラボは長さ269mmほどあり、標準的なミニタワーケースや奥行のあるキューブ型ケースくらいなら何とか入りますが、もっと小型のPCケースとなると搭載できない可能性があります。

一方で、このファンとヒートシンクを小さくして短くしたRadeon RX 6600 Challenger ITX 8GBというモデルもあります。

名前がほとんど同じでややこしいですが、こっちだと長さが179mmしかないので小型のPCケースでも搭載できそう。

でもその分、高負荷時のファンの回転数は高くなってうるさいでしょうし、一長一短ですねぇ。

RTX2060とRX6600の長さ比較

以前、「ZOTACのRTX 2060が届いたのでGTX970との比較とか」で書いたとおり、うちのRTX2060はデュアルファン搭載のわりには短くて、209.6mmしかありません。

実際にmicroATX仕様のミニタワーケースSilencio S400に取り付けても↓このくらい余裕があります。

■Silencio S400+ZOTAC GAMING GeForce RTX 2060
Silencio S400+ZOTAC GAMING GeForce RTX 2060

一方、今回購入したRX6600を搭載すると↓こんな感じ。

■Silencio S400+ASRock Radeon RX 6600
Silencio S400+ASRock Radeon RX 6600

ミニタワーなのでまだ余裕はありますが、グラボで269mmというサイズはキューブ型のケースではけっこうギリギリだったり、場合によっては入らないケースも存在するので注意が必要です。

RTX2060とRX6600の消費電力と温度と騒音チェック

RTX2060搭載状態での消費電力は前回の記事で書いたのでサラっと済ませますが、アイドル状態で約34.8W、FF15ベンチマーク動作中で約286.7Wでした。

CPUは前回と同じくCore i5 10400Fを搭載しています。

RX 6600のアイドル時とベンチマーク中の消費電力

アイドル時の消費電力(RX6600) FF15ベンチマーク中の消費電力(RX6600)

消費電力の計測にはSwitchbotを使用。結果、RX6600搭載PCでのアイドル時の消費電力は約30.5W、FF15ベンチマーク中で約236.1Wまで減少しました。

アイドル時とベンチマーク中の温度

下記のとおり、室温は23.3度で、CPU温度は約32度、GPU温度は35.2度くらい。

switchbot 室温

RX6600のアイドル時の温度はスクショ撮るの忘れてしまいましたが、まぁほとんど変わりません。35度前後です。

そしてFF15ベンチマーク中のGPU温度とファン回転速度はこのとおり。

FF15ベンチマーク中のGPU温度とファン回転速度(RTX2060) FF15ベンチマーク中のGPU温度とファン回転速度(RTX6600)

RTX2060のホットスポット温度は最大で106.3度をマークし、回転数は2664rpmとかなり耳障りな高回転でしたが、RX6600のほうは最大温度71度、ファンの回転数も1414rpmが最大で、その状態でも、「あぁ、まぁまわってんねー」って感じでした。

ふわっとした言い方ですがw

騒音の感じ方には個人差があるため、参考程度にして頂きたいですが、個人的には800rpm以下はほぼ無音に感じます。PCケースを足元に置いているということもあり、ファンがまわっているのかわからないレベル。たぶんXbox Series Sはほとんど常にこのレベル。

800~1000rpmはファンがまわっている…ような気がする…という半信半疑レベルになり、1000~1200rpmだと気にはならないけどまわっているのがわかるレベル。1200rpm~はちょっと音が気になりはじめ、2000rpmを超えるともう耐えられないレベルの騒音と感じます。

そしてここで注目したいのがファン回転数の最小値です。RTX2060の場合は1303rpm。RX6600は0rpmです。

そう、今まで使っていたZOTACのRTX 2060は負荷がまったくかかっていないアイドル状態でも1303rpmの回転数があり、常にちょっと気になるかな?ギリギリ我慢できるかな?あたりの音を出し続けていたのです。高負荷時は2000rpmを超えるのでヘッドホンを探し始めるレベル。

これがRX6600だとアイドル時は無音なんですよ。アイドル時というか低負荷時、具体的にはグラボの温度が5~60度を超えるまでファンが一切まわりません。つまり、普通の事務作業レベルじゃファンは回転しないし、ちょっとした動画エンコード程度でもまわりません。

心の平穏が訪れました…。

とはいえ、0dB サイレントクーリングをウリにしていたので、ここまでは想定内でした。ところが、FF15ベンチマークというアホほど負荷がかかる状態でも1414rpmまでしかまわらないことにびっくり仰天です。

それでいてベンチマークスコアは同等以上。

■FF15ベンチマーク(RTX2060)
FF15ベンチマーク(RTX2060)

■FF15ベンチマーク(RX6600)

設定次第でもっとスコアは上昇しますが、デフォルトだとこんなもんです。RTX2060との差はごくわずか。なので、音も消費電力も気にしない!という人にとってはわざわざ買い替える意味はありませんが、ぼくとしてはどちらも気になるのでとても良い買い物でした。

騒音計アプリで計測してみる

回転数が圧倒的に違う時点で、おおよそのイメージはつかめると思いますが、せっかくなので(?)騒音計アプリで測ってみました。

■RTX2060での騒音(最小:39dB 平均:50.9dB 最大55dB)
RTX2060での騒音(最小:39dB 平均:50.9dB 最大55dB)

■RX6600での騒音(最小:41dB 平均:42.9dB 最大45dB)
RX6600での騒音(最小:41dB 平均:42.9dB 最大45dB)

しょせんスマホアプリでの計測なのでワリといいかげんですし、機種ごとにマイク性能が異なるため、同じ計測アプリを使ってもその絶対値自体は参考にもなりません。

しかし、同じアプリ、同じスマホ、同じ場所、同じ時間で計測したので、相対値としては多少参考になるかな、と。

なぜか最小値はRX6600のほうがわずかに大きくなりましたが、これは本当に誤差でしょう。家の近くで車が通ったときはもちろんのこと、少々強めの風が吹いただけで39~41dBの間をいったりきたりするので、基本的に41dB以下は無音とお考えください。

なので、ここで比べるべきは最大値の55dBと45dBではないでしょうか。FF15ベンチマーク中、もっとも負荷がかかり、ファンの回転数が最大になった状態で、10dBもの違いがありました。

これはちょっと感動ものですよ。

まとめ

つらつらと長いだけの記事をこんなところまで読んで頂きありがとうございます。

もし、単にここまでスクロールしてきただけだとしたら、それは大正解。長ったらしく書いたことを表にまとめておきますね。

RTX 2060RX 6600
消費電力(最小)34.8W30.5W
消費電力(最大)286.7W236.1W
温度(最大)106.3度71度
ファン回転数(最小)1303rpm0rpm
ファン回転数(最大)2664rpm1414rpm
騒音(最小)39dB41dB
騒音(最大)55dB45dB
FF15ベンチマーク1010510374

これだけの消費電力の差があっても電気代自体には大した差は出ないと思います。

ぼくは良く言えば在宅ワーク…ぶっちゃけて言えば引きこもりなので、1日16時間くらいPCを使っていますが、5W程度の差では16時間×30日=480時間×5W=2.4kw×27円で、1か月で64.8円くらいの節約になる程度でしょうか。

ゲーム中は50Wくらいの差があるので、仮に毎日2時間ゲームをするとしたら、2時間×30日=60時間×50W=3kw×27円=81円/月くらいの節約かな…?

いずれにせよ誤差レベル。でも、騒音レベルが下がるのは精神衛生上すばらしく良いです。温度が下がったことで、ケースファンを1基減らすことができ、Nobody Saves the Worldのような2Dゲームではもちろんのこと、最近ハマっているHitmanという3Dゲーム程度でも(古いゲームと言うこともあり)ほぼ無音です。

以前はこんな低負荷ゲームでもぶぉおおおおと爆音を出していたんですよ。グラボの騒音に悩んでいる皆さま、RX 6600は大変静かなグラボなのでぜひ検討してみると良いですよ!

Xbox Series X並の性能が欲しいなら、RX 6600 XTもアリですが、ベンチマークスコアを1000上げるために更に+1万円払うかどうかは… 人それぞれ… かなぁ。

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