先日購入したUMIDIGI F1 Playですが、ふと標準カメラアプリの設定の中にRAW(.DNG)の表記があるのを発見したので、RAW現像を試してみることにしました。
RAWとは
デジタルカメラのセンサーが記録したまんまのデータが含まれているファイルのこと。生(Raw)のデータなのでRAWと呼ばれます。
「フルHDは1920x1080px」というようにピクセルという単位は一般にも浸透していると思いますが、デジカメも同じで、4800万画素というのは8000x6000px=48,000,000ピクセルという意味です。
この1ピクセルごとにフルカラー(1677万色)中から適切な色が選ばれ、画像となってコンピューター上に表示されるわけですが、色というのは明るさの強弱によって変わります。
デジカメのセンサー自体は大変優秀なので、人間の目では判別できない色まで取得しているものの、そんな目に見えないデータまで記録していてはファイルサイズが膨大になるため、いろいろ削ってJPEGに変換してるんですね。
例えば逆光で見えない影の部分や、逆に明かりが強すぎて白飛びしている部分。そういった部分はJPEGではデータそのものが削られるため、なかったことになるのです。
基本的にはそれで良いのですが、カメラで撮影した直後はこれでバッチリと思ったプレビュー画面を後でPCの大画面で見たらガッカリ…なんてことありませんか。
そんなとき、RAWファイルとして保存していれば後からPCで露出補正を変更して、白飛びしていた部分を復活させたり、暗くて見えなくなっている部分を見えるようにしたりできるわけです。
まぁ、その分、RAWファイルはとんでもなくデカいので扱いづらいですが…。
(4800万画素のRAWファイルは少なくとも20MB以上です)
F1 Playの標準カメラのRAW設定
設定画面に「RAW(.DNG)」という表記があり、これをONにするだけで撮影と同時にRAWファイルも保存されるようになります。(もちろんJPEGファイルも保存される)
ちなみに、手ブレ補正をONにするとRAWの項目が消えるので、手ブレ補正とRAWの同時使用は出来ないっぽいです。
F1 Playの標準カメラとRAWファイル
思いつきで適当に撮ったということもあり、左にある窓からの明かりだけで少々薄暗い部屋のハズですが、なんか全体的に明るく加工されてしまいました。
露出補正も0なんですけどねー。
ま、とりあえず標準カメラで保存されたJPEGファイルとRAWファイル(拡張子.DNG)をパソコンに取り込みます。
RawTherapeeはオープンソースのRAW現像ソフトです。
https://rawtherapee.com/
通常、Canon/Nikon/Sonyといった有名メーカーのデジカメを購入した場合はそのメーカーごとにRAW現像ソフトが公開されているのでそれを使えば良いのですが、微妙に機能が少なかったりする場合もあるので、RAW現像ソフトを別途用意する人もけっこういます。
有名どころではAdobe Lightroomとか、SYLKYPIXとかですかね。
昔、Lightroomは使っていたのですが、ワンクリックで好みの写真に補正してくれる機能がヤバイくらいに便利でした。さすがAdobeとは思いましたが、たまーにしか使わないのにサブスクリプション契約はちょっとなぁ…ってことで、オープンソースのRawTherapeeでお茶を濁しています。
Canonあたりだとメーカー純正のRAW現像ソフトも高機能ですしね。
さて、それはそうと、RAWファイルを何もせずに出力するとこんな感じになります。
色がうっすい感じがしませんかね。
左がJPEG、右がRAWです。
左のほうがコントラストがくっきりしている感じがしますよね。そう、当たり前の話ですが、デジカメがJPEGを作るときはカメラ内でRAWを現像処理しているわけです。
何も処理していないRAWファイルなんて全然綺麗じゃないのです。
F1 PlayのRAWファイルを現像する
ということで、RawTherapeeを使って軽く補正をしてみます。
項目はたくさんありますが、今回いじったのはこの3つだけ。
- 明度 -20
- 露光量補正 +0.50
- 黒レベル +500
実際の見た目では左の窓からの明かりで、クマさんの左側が明るく、右側は暗く、コントラストがはっきりした感じで見えるのですが、写真にするとどちらも明るくなって微妙でした。
そこで、まず実際の見た目よりだいぶ明るいので、明度-20で全体を暗くしました。すると今度はクマさんの左側の明かりまで暗くなってしまうため、露光量補正+0.5で実際に光の当たっている範囲を明るく修正。最後に黒レベルを上げてクマさん右側の暗さを強調、といった感じ。
だいぶ見たまんまのイメージに近づきました。
写真単体で見ると違いがわかりづらいかもなので、後でまとめてスライドで表示します。
F1 PlayのJPEGファイルを加工した場合
ちなみに、RAWファイルではなく、JPEGファイルを同じように補正した場合はこんなふうになります。
RAW現像したときと全然違うでしょ。
ノスタルジックフィルターか何かをかぶせたような絵面になってしまいました。これはこれで面白い絵だとは思いますけどね。
F1 Playで撮った写真をそれぞれ並べてみる
写真を1枚ずつ流して見ると違いがわかりづらいかもなので、スライドで見られるように並べてみました。
まとめ
- F1 Playの標準カメラはRAWにも対応していた
- RAWで保存しておくとただの画像編集よりも幅広い補正が可能
- RAWの現像ソフトを持っていない場合はオープンソースのRawTherapeeが便利
といったところでしょうか。
まぁ、先述したとおり、RAWファイルって1ファイルで20MB以上ありますから、毎回RAWで撮影するってのは正直微妙です。
一眼レフを愛用している方は毎回JPEG+RAWで保存する設定にしている場合もあるでしょうけれど、F1 Playはスマホですしねー。
たまたま手元にF1 Playしかない!でも、このシーンはしっかり綺麗に残しておきたい!と思ったときにササッとRAWモードにして撮影するのが良い使い方でしょうか。
RAW現像って画像加工と何が違うの、と思っている方も意外に多いのですが、できることが全然違います。どんなに優秀な画像ソフトでもファイル内に存在しないデータを加工することは出来ませんから。明暗を思いのままに加工できるのはRAW現像だけ。
写真にそこまで興味ないよー、という方も自撮りで自分の顔がくら~く写っちゃったら気になったりしませんかね。
ほら、マイナンバーカードの申請とか、スマホで出来る時代じゃないですか。あれってスマホで自撮りして写真を送れるものだから、けっこう気合い入れて撮る人も多いようですw
(ぼくも何度か撮り直しました…)
そんなとき、RAW現像でキレイな自撮り写真が出来たら嬉しいんじゃないですかね。
せっかくRAWで保存できるスマホを持っているなら、一度くらい試してみるのも良いと思いますよ。
コメント