Windows 10 October 2018 Update (1809)で変わったスクリーンショットあれこれ
以前の記事「既定のアプリが変更できないのはKBの不具合だった」でやむにやまれずWindows 10をバージョン1809にアップデートしたわけですが、スクリーンショットまわりがけっこう変わっていたのでご紹介。
1803でのスクリーンショット機能を振り返る
PrintScreen | デスクトップ全体のキャプチャをクリップボードへ |
Alt+PrintScreen | アクティブウィンドウのキャプチャをクリップボードへ |
Win+PrintScreen | デスクトップ全体をキャプチャしてファイルへ保存 |
Win+Shift+S | 範囲を指定してキャプチャをクリップボードへ |
だいたいこんな感じだと思います。
ブログ記事を書く人はもちろんのこと、ソフトの操作マニュアルとか作る人もAlt+PrintScreenでペイントソフトに貼り付けて保存、という作業を繰り返すことが多いのではないでしょうか。
1枚や2枚ならどうってことありませんが、これが20枚も30枚も続く作業となるとけっこうわずらわしいんですよね。
そうなってくるとWinShotとかのフリーソフトに頼る、というのがワリと普通だったと思います。
(そういうフリーソフトを使えばクリップボードを経由せずに即座に画像ファイルにしてくれるため)
Win+PrintScreenは[ピクチャ]フォルダの下の[スクリーンショット]フォルダに即座にPNGファイルを作ってくれるので一見便利なのですが、デスクトップ全体をキャプチャする機会ってそれほど多くないんですよねえ。
PCゲーム系ならSteamのスクリーンショットもありますし。ゲーム以外だとたいてい大事なのはウィンドウですよね。
でも、Win+Shift+Sの範囲指定はなかなか便利で、そのままTwitterの投稿画面に貼り付けたりできるので、SNS系では使う機会も多いのではないでしょうか。
1809でスクリーンショットの何が変わったか
PrintScreen | デスクトップ全体のキャプチャをクリップボードへ |
Alt+PrintScreen | アクティブウィンドウのキャプチャをクリップボードへ |
Win+PrintScreen | デスクトップ全体をキャプチャしてファイルへ保存 |
この3つの機能に変わりはありませんでした。
でも、Win+Shift+Sの範囲指定キャプチャはちょっと変わりましたよ。こんな感じ。
Win+Shift+Sを押した瞬間、画面全体が少し暗くなるところまでは同じなのですが、画面上部にモード変更用のボタンが現れています。
一番左の四角は「四角形クリップ」という名称で動作としては従来と変わりません。
その右の投げ縄っぽいのは「フリーフォームクリップ」という機能でマウスで自由に囲んだ部分をキャプチャできます。適当に囲んでマウスを離すとこのとおり。
デスクトップ画面の右下に「切り取り領域がクリップボードに保存されました」という通知が出ます。この通知は1803にはなかった機能ですね。
そして、この通知欄をクリックすると「切り取り&スケッチ」というソフトが起動。
フロッピーアイコンをクリックしてそのまま保存するも良し、フリーハンド書き込みや蛍光ペン、定規などで簡単な加工をしても良し、となかなか便利になりました。
PNGで保存すればちゃんと背景も透過されてますから、フリーフォームクリップで切り抜いた形のまま他の画像と重ね合わせるのも楽でしょう。
1809の機能と言って良いのかわからない機能
1803から1809にバージョンアップしたことで、Win+Alt+PrintScreenの機能が付いていないかな、という淡い期待がありました。
Win+PrintScreen一発でデスクトップ全体をキャプチャしてPNGファイルとして保存する機能はほとんど使わないものの、これがアクティブウィンドウに対して使えるようになったら途端に使うようになるだろうと思ったからです。
そして、さっそくWin+Alt+PrintScreenキーを押してみました。
なに……これ………。
なんかね、XBOXのゲームキャプチャ機能が起動しましたよ…。
これって、Win+Gキーで起動するGame DVR機能じゃありませんでしたっけ?
PCゲームやらない人には馴染みがないかもですが、Game DVRというのはWindows 10のCreators Updateから追加された機能で、ゲーム画面の録画ができる機能なんですよ。
ゲームやる人ならnVidiaのShadowPlayとか、RADEONのReLiveと言えば通じやすいですかね。
あるいはPS4のShare機能とか。
ゲームプレイ中に「あー今の瞬間おもしろかった!録画しておきたかったなぁ」と思っても30分くらい前まで巻き戻して録画できるっていう。字面だけ見るとタイムスリップみたいですけど、要するにバックグラウンドでこっそり録画しておいて、「録画しておきたかったぁぁ」と思った瞬間にポチッとボタンを押せば「ふふ、こんなこともあろうかと録画しておきましたぞ」と現れる有能執事みたいなものです。(ひどい説明)
ぼくの中ではそれがGame DVRの機能であって、PCゲーム起動中、もっと専門的に言えばDirectX使用中しかGame DVRのウィンドウは現れないはずなんですよ。
実際、今手元にある1803でWin+Alt+PrintScreenや、Win+Gキーを押してもデスクトップ画面では何も起こりません。
ところが、1809ではどこでもこのキャプチャ画面が立ち上がるんです。Win+Alt+PrintScreenでも、Win+Gでも同じ。
このアプリのゲーム機能を有効にしてゲームプレイを記録する
話を戻しますが、このGame DVRっぽい画面で「ゲーム機能は利用できません」と言われるわけですが、その下に「このアプリのゲーム機能を有効にしてゲームプレイを記録する」というチェックボックスがあるじゃないですか。
そのチェックボックスをONにして、あらためてWin+Alt+PrintScreenを押してみます。
ほぁ~~~ん?
デスクトップの右下に通知が出て「スクリーンショットが保存されました」とな。
そして保存されたスクリーンショットはちゃんと選択していたウィンドウ(Chrome)です。
あーこれはこういうことかな?
Win+PrintScreen | OSの機能で[ピクチャ]の[スクリーンショット]にPNGで保存 |
Win+Alt+PrintScreen | GameDVRの機能で[ビデオ]の[キャプチャ]にPNGで保存 |
ややこしっ!
更に面倒なのは、デスクトップ画面やエクスプローラーでWin+Alt+PrintScreenを押すと、
「デスクトップまたはエクスプローラーはゲーム機能を使用できません」
とエラーが出てキャプチャしてくれません。
デスクトップは別に良いんです。従来のWin+PrintScreenがあるから。
でもエクスプローラーのスクリーンショットが撮れないのは残念だなぁ。
これがあればWin10の標準機能だけでスクリーンショットまわりは他のソフト入れなくても良くなりそうだったのに。
エクスプローラーで使えない以上、1809になってからもまたフリーソフトのお世話になりそうです。
スクリーンショットとPC TV Plus (旧:PC TV with nasne)
テレビ番組の視聴・録画ができるHDDレコーダー nasne を使っている人がどのくらいいるかわかりませんし、ましてや、そのWindows版クライアントの PC TV Plus を愛用している人は更に少ない気がしますが、個人的には興味深かったので一応。
まず原則としてPCTVはスクリーンショットを撮られるのを嫌います。具体的にはPrintScreen、Alt+PrintScreenのキーを押されたのを検知してキャプチャ機能を無効にしやがります。
別にテレビ番組をキャプチャしたいわけではなく、PCTVを小さいウィンドウにしてテレビを試聴しつつ、ほかのウィンドウのキャプチャ作業をしているだけだというのにPCTVに強制的にPrintScreen機能が封印されるのです。腹立たしいことにSnipping Toolの起動まで止められます。
でも、OSに根付いた機能を止めているわけではないようで、WinShot等のフリーソフトを使えばPCTV起動中でも普通にスクリーンショットが撮れます。
1809に変わって、そのあたり何か変わっているかなぁと、PCTVを起動した状態で下記項目をテストしてみました。
PrintScreen | キャプチャできない |
Alt+PrintScreen | キャプチャできない |
Snipping Tool | 起動できない |
Win+Shift+S | キャプチャできる |
切り取り&スケッチアプリ | 起動してキャプチャできる |
1803のときには出来なかったWin+Shift+Sが出来るようになっていました。
PCTVのバージョンが上がったら、また塞がれてしまうかも知れませんが、ひとまず2018年12月現在は問題なく指定範囲内のキャプチャができるので少し便利になりました。
「切り取り&スケッチ」アプリもPCTV側が何のアプリか現時点では認識していないから動作に問題がないのでしょう。
スクリーンショットのフリーソフト選びは難しい
一昔前ならスクリーンショット撮るフリーソフトといえばWinShotって感じでしたが、2007年以降バージョンアップされておらず、PNGにも対応していないため、今使うのは微妙な気がします。
今試しているKIOKUというフリーソフトはPNGにも対応しているし、インストール不要で変な権限も必要としないので、良さそうなのですが、WinShotと同じく2007年で更新止まっているのがちょっと怖いかしら。でも他に見つからなかったら、しばらく使ってみるかも。
2019年3月31日追記:うちの環境だとKIOKUのウィンドウキャプチャが微妙にズレてしまうため、使用を断念しました。スクリーンショットソフト探しの旅はまだまだ終わらない。
まとめ
我ながらスクリーンショットだけでここまで長々と語れるとは思いもしませんでした。
書き始めたらアレも気になるコレも気になる、と検証しながら記事が膨れ上がってしまった感があります。
ともあれ、簡単にまとめると、Windows 10の1803から1809にバージョンアップしてスクリーンショットで変わった点は、
- Win+Shift+Sの範囲指定キャプチャのモードが増えた
- キャプチャ後に「切り取り&スケッチ」アプリを即起動できるようになった
- GameDVR機能でゲーム以外のアプリのスクリーンショットが撮れるようになった
といったところでしょうか。こうして書くと大したことないっすね…。
まぁ個人的にはPCTVでテレビ見ながら画像加工ができるようになった(本来はできて当たり前)のはありがたいですし、Win+Shift+sの範囲指定の後、通知ウィンドウをクリックして即座に「切り取り&スケッチ」アプリが起動するのはそれなりに便利です。
とはいえ、これだけだとまだまだスクリーンショットに特化したフリーソフトは手放せないかなぁという印象でした。