Windowsでブルースクリーンが多発する場合はSSDも疑おう
「ブルースクリーン SSD」などで検索するとぼくと同じようなトラブルにあった事例が多数見つかるので、最近は有名なのかも知れませんが、Windowsでブルースクリーンが多発する場合、メモリやパーツの相性問題よりもSSDが原因となっている場合があります。
このことをすっかり忘れて今回もトラブルに合ってしまったため、備忘録として記事に残しておこうと思います。
はじめてのSSDトラブルは2013年のこと
当時はネトゲのPSO2がサービス開始したばかりということで、自作PCをゲーミング仕様に変更していた最中だったと記憶しています。
巨大なPCケースに嫌気がさし、小さなキューブ型の筐体にグラフィックボードを搭載し、当時はまだ高価だったSSDを使うことで発熱量を抑え、コンパクトでありながらパワフルなゲーミングPCが完成したと自画自賛。
仕事もパソコン、趣味もパソコン、フレンドとの交流もパソコンと、起きている時間はずぅ~っとパソコンを使っているので、かなり酷使している自覚はありました。
そのような状況下、Windows 7 Proがたまにブルースクリーンになる現象に悩まされていました。
今から8年前の古い話とはいえ、当時はもうWindowsも安定しており、16bit OS上で無理やり32bit動作していた頃とは違います。いくら一日中パソコンを酷使していてもその程度で不安定になるようなOSではありません。
ならばパーツの相性か? そう考え、最初はサウンドカードを外しました。
そしてOSの入れ替え。
それでも1日に1回くらいの頻度でブルースクリーンが発生します。
おやおやぁ~?
うーん、キューブ型の筐体では熱暴走が発生しているのかなぁ。そう考え、あらためてミニタワークラスの筐体と、ついでにマザーボードも新しいものに入れ替え、OSを新規インストール。
…まだブルースクリーンが発生します。
んんん~?
PCIスロットに挿しているのはグラボとサウンドカードのみ。そしてサウンドカードは初手で外しました。今はオンボードで音を鳴らしています。そして次にマザーボードまで交換しました。
となると、もう残っているのはCPUとメモリだけじゃないか。
どっちが怪しいかと言われればメモリだし、CPU買い替えるのはさすがに懐が痛いし、仕方ないのでメモリを買い替えます。そしてもちろんOSを新規インストール。
ちなみに当時からぼくは再インストールマニアで、何かトラブルがあったらすぐにOSをまっさらにするため、ディスクイメージを作っていました。そのイメージからリカバリすれば再セットアップはすぐに済むのですが、前のハードウェアの情報をイメージに書き込んでしまっているのも問題だろうと思い、わざわざ完全に新規インストールもしました。
……………………ここまでハードウェアを入れ替えても、まだブルースクリーンが1日1回発生します。
まてまてまて。
もう残るはCPUしかないぞ。そんな不良ありえるんかい………と絶望仕掛けたそのとき、ふとストレージ(SSD)をまったく変えていないことに気が付きました。
いやいやいや、まさかまさか。
だって、ストレージだよ?
ストレージで相性問題が出たことなんて………………ん~~~、大昔のSCSIディスクのときはデバイスドライバーが悪さすることも確かにあったけれど、SATA接続になってから相性問題なんて出たことないし、さすがにそれはないだろう…。
まぁ、でも、試すだけなら簡単だし、手元にある古いSSDへ入れ替えてみるか。
…すると、なんということでしょう!SSDを入れ替えたらまったくブルースクリーンが発生しなくなりました。
ASKのサポートセンターへ問い合わせてみた
8年以上前の話ですが、メールを漁ってみたところサポートセンターとのやりとりが残っていました。
(1) ケース番号: 【***********】
(2) お問い合わせの内容:
このSSDを使うと1日(8時間以上使用)に1回ブルースクリーンが発生します。
最初は別パーツを疑い、サウンドカードの入れ替え、取り外し、M/Bの変更、メモリの変更、あらゆる周辺機器の撤去をし、そのたびにOSの再インストールも行いましたが、1日に1回は確実にブルースクリーンが発生します。
ブルースクリーンの発生する状況は、ブラウザを開いたとき、ファイルを削除したとき等、 まずはエクスプローラーが無反応になり、そしてしばらく待つとブルースクリーンになります。
最後に別のSSD (TOSHIBA製 SSD 64GB)に変更したところ、ようやくブルースクリーンの発生がなくなりました。
以上のことから、このAGT3-25SAT3-120Gに何らかのハードウェア不良があるのではないかと思われます。
(3) 回答:
この度は製品の動作不具合によりご迷惑をお掛けしております。
ご連絡頂きました状態から判断いたしますと、製品の不良の可能性が高いと思われます。
対象製品をメーカーに発送しまして、修理・交換対応をさせていただきますので、 大変お手数ではございますが弊社RMAセンターまで製品をお送りいただけますでしょうか。
ほとんどダメ元での問い合わせです。
当時はSSDの問題でブルースクリーンが発生するなんて話は聞いたことがなかったし、自作PCはサポート対象外と言われることにも慣れていたので、のらりくらりと躱されるだろうと思っていましたが、意外や意外、対応してくれるとのことです。
送料は負担しないといけないようでしたが、まぁSSDの送料なんてたかが知れています。教えてもらった住所宛にすぐに送りました。
OCZのSSD交換の流れ
2013年4月18日: | ASKのサポートへ問い合わせ |
2013年4月24日: | SSDを発送 |
2013年5月08日: | 音沙汰がないため再度問い合わせ |
2013年5月09日: | 海外の工場で対応中なので時間がかかるとの回答 |
2013年5月14日: | 交換品を発送したとの連絡 |
2013年5月15日: | 交換品が手元に届く |
※実際に届いた交換品(OCZ Agility3 2.5" 120GB)
製品ページ:https://www.ask-corp.jp/products/ocz/2-5inch-sata3-ssd/agility3.html
サポートの対応は良かったのですが、ASKはそもそもただの代理店でメーカーはアメリカのOCZだったため時間がかかったのですね。問い合わせから交換品が届くまで実に1か月かかりました。
その間は以前使っていたTOSHIBAの64GB SSDで凌いでいましたが、今考えると64GBなんてスマホより小さい容量で笑っちゃいますねw
OCZのSSD交換ふたたび
話はこれで終わりませんでした。
というのも、交換品もおかしかったのですwww
アスクサポートセンター
ご担当者様
お世話になっております。
今年の5月にOCZのAGT3-25SAT3-120Gを製品不良のため交換して頂いたのですが、
それからわずか3ヶ月でS.M.A.R.Tのステータス異常が発生しております。
(添付参照)
いくらなんでも寿命が短すぎると思うのですが、いかがでしょうか。
ひとつの検査ソフトじゃ信頼されないかもと思い、2つのソフトでSMARTのエラーをチェックしてスクリーンショットをサポートへ送りました。
すぐに返信があり、またまた交換対応となったのですが、この後の記録は取っていません。
なぜなら2度も深刻なエラーが発生したSSDを使い続けるのは恐ろしいので、サポートへ不良品を送り返した後、すぐに新しい別メーカーのSSDをポチったからです。
ところで、今はもうOCZは倒産し、東芝が吸収したみたいですね。なんだか感慨深い。
8年ぶりのブルースクリーン
あれから8年、2021年8月22日のことです。
知り合いに誘われてMinecraftをプレイすることになりました。
元々、Alpha版の頃からJavaのMinecraftをプレイしていたため、これを使えば良いのかと思ったのですが、今は統合版とやらになっていてJava版と一緒には遊べないのだそうです。
Amazonで買えば3000円もしないよ、と言われたのでさっそくポチっとします。今までのプレイ時間を思えば安いもの。
Amazonで購入するとダウンロードライブラリというメニューの中にMinecraftが登録されるので、そこから[Xbox.comでコードを使う]というボタンを押すとMicrosoftアカウントにオンラインコードを紐づけることが出来ました。
そして後はMicrosoftストアからMinecraftをダウンロードしてインストールするだけ。
そのインストールの最中にブルースクリーンが発生しました。
いや~、8年ぶりのブルースクリーンともなると新鮮です。最初ブルースクリーンだとわかりませんでした。だって、あの見慣れた紺色の画面ではなくて、水色の背景なんだもの。どちらもブルーではあるけれど、微妙にデザインが変わったのねー、などとノンキなことを考えているうちにPCが強制再起動されました。
アプリの起動時とか、ゲーム中の高負荷時ならまだしもダウンロードしてインストールしている最中にブルースクリーンだなんてめずらしいなと思いながらPCの起動を見守るのですが、ログインしてから2~30秒くらいでまたブルースクリーンが発生するようになりました。
どうやらスタートメニューにXbox関連のアプリが入り、そいつの起動時にブルースクリーンが発生している模様。
ログインしてからの猶予が20秒ちょっとあるので、その間に急いでスタートアップメニューからXbox関連のアプリを削除します。するとブルースクリーンが発生しなくなりました。
ホッと一息ついて、今度はアプリの一覧からMinecraftやXboxアプリを削除します。これでPCを再起動してみたところ、特に問題なさそう。
よし、あらためてMicrosoftストアを開き、Minecraftのインストール開始です。
………………ブルースクリーン発生。
しかも今度はPCが起動しなくなりましたw
いや、笑いごとじゃねえええ。
BIOSを開いてみるとSSDが認識されていません。
ちなみに前回のブルースクリーントラブルから8年、PC環境もガラっと変わり、使っているSSDはSSDでもグリーンハウス製のGH-SSDRMPA960という960GBもあるM.2 SSDです。容量もスピードも段違い。
で、M.2 SSDは速度が早いだけあって発熱量もすごい。もしや熱暴走かな?と思い、PCを完全に停止し、電源コードを抜き、更にはマザーボードからM.2 SSDを外し、なんとなくホコリをフゥー!フゥー!などと吹き飛ばして挿しなおしたりもしてみます。すると今度は、
………………BIOSすら起動しねえええwww
まってまってまって。挿しが甘かった?
もういっかいフゥーフゥーしたり、電源プラグの挿しなおしをして起動を試みます。
すると、5回に1回くらいはBIOSまでは立ち上がることがわかりました。でも、M.2 SSD (960GB) は認識されていない。
なになになに。どういうことなの?
パニックになりかけましたが、ふと前に使っていたM.2 SSD (WD製の500GB)が余っているのを思い出しました。メルカリへ出品しようと物置に置いてありましたが、幸いまだ出品前。
さっそく古いM.2 SSD(500GB)のほうに差し替えてポチっと起動してみます。
なんの問題もなくBIOS起動。M.2 SSD(500GB)も認識。
それなら、ということでWindows 10 Proをインストール。なにしろ再インストールマニアなので、いつでもOSがクリーンインストールできるようにUSBメモリは準備万端。
古いM.2 SSD(500GB)と言いつつも、以前「M.2 SSDが早すぎてぶったまげた」という記事で紹介したWD製造のWDS500G2X0Cです。Read 3400MB/s、Write 2500MB/sを誇るSSDなのでインストールもあっという間です。
サクサクっとOSのインストールも終わり、なんの問題もなくMinecraftもインストールできてしまいました。動作も快適そのもの。
うーん、なんかもう結果は見えた気がするけれど、念のためこの状態で、960GBのグリーンハウス製のGH-SSDRMPA960に戻してみます。
………………BIOSすら起動しない。
…ですよねー。知ってた。
グリーンハウスのサポートセンターへ問い合わせ
GH-SSDRMPA960の保証書を引っ張り出してみたところ、幸い3年保証とあり、まだまだ保証期間が残っていたので、サポートを頼ってみることにしました。
(このときになってようやくOCZでもSSDのトラブルがあったなぁ、などと思い出します)
以下、グリーンハウスのサポートフォームからの控えメールまんまです。
「Support Form」よりメールの発信がありました
送信日時:2021/08/22 18:44:37
弊社製品型番 = GH-SSDRMPA960
ご購入日付 = 2020 年 4 月 23 日
PCメーカー名 = 自作
CPU:Core i5 10400F
M/B:GIGABYTE B560M DS3H
Memory:CMK16GX4M2D3600C18
OS名 = Windows 10 Pro
不具合の内容 = 購入して1年以上特に問題なく使用しておりましたが、つい先日ゲーム(MicrosoftストアのMinecraft)をインストール中にブルースクリーンが発生し、PCを再起動すると真っ暗な画面のままBIOSすら起動できなくなりました。
周辺機器(Bluetoothアダプタ等)を外し、最小構成にしたり、M.2 SSDを差しなおしても起動せず、最終的にこのM.2 SSD(GH-SSDRMPA960)を外し、別のM.2 SSD(買い替える前に使っていたWD製のM.2 SSD)へ差し替えたところ起動するようになりました。
熱暴走の可能性も考え、その後、数時間経過してからM.2 SSDをGH-SSDRMPA960へ戻して電源を入れてみましたが、状況は変わりませんでした。何度も繰り返すうち、5回に1回くらいはBIOSが起動することがわかりましたが、BIOSが起動したとしてもストレージの一覧にGH-SSDRMPA960が表示されず、認識されない状態です。
また、もう一度別のM.2 SSD (WD製) に戻すとそちらでは何の問題もなく起動することから、GH-SSDRMPA960に何等かの不具合が発生してしまったのではないかと思われます。
翌2021年8月23日にはサポートから返信がありましたが、そのメール文には内容を転載するな、と書かれていたのでここには載せません。
内容を要約すると、
- 動作確認するから「製品一式」と「保証書」を着払いで送ってほしい
- 保証書の購入年月日欄に記載がない場合はレシートも添付すること
- 故障が確認できたら無償交換する
- 製品内のデータは一切保証できない
とのことです。かなりまとも。
OCZのときとは異なり、送料負担しないで良いというのも地味に嬉しいです。
というわけで、このメールをもらったその日のうちに製品を送付しました。
GH-SSDRMPA960の交換の流れ
2021年8月22日: | グリーンハウスのHPから問い合わせ |
2021年8月23日: | 回答があったので即日発送 |
2021年8月25日: | 交換品が到着 |
対応早すぎィィ!!
OCZのときのように1か月、とはいかないまでも1~2週間はかかるだろうと思っていたので、この対応速度には面食らいました。
もちろん新しいSSDではPCの起動にも問題ありません。
まとめ
長々とトラブルの実例を書きましたが、言いたいことはひとつだけ。
Windowsでブルースクリーンが頻発したらSSDも疑おう
ということです。
HDDに比べて速度は速くて軽量だし発熱も低いし省電力だし衝撃に強いし価格もどんどん低価格化しているし、良いことづくめのSSDですが、低価格化のために粗悪品が紛れ込むこともあるのか、あるいは耐久性に難があるのか、謎のブルースクリーン現象で悩んでいる人もけっこう多いようです。(検索すると似たようなトラブル事例がヒットします)
かといって、もうこの速度と使い心地は手放せないので今更HDDに戻るつもりは毛頭ありませんし、うまいことSSDとつきあっていくしかないかなと思っております。
今回も予備のSSDがなければ検証すらお手上げ状態だったので、常に予備のSSDは用意しておいたほうが良いな、と感じました。